東日本大震災から6年 被災地で慰霊法要
3月11日で、東日本大震災から丸6年を迎えた。地震や津波によって甚大な被害を受けた太平洋沿岸の被災地を包括する立正佼成会の各教会では、この日を中心に犠牲者慰霊法要と復興祈願式典を催した。各地の様子を紹介する。
釜石教会で10日に行われた七回忌法要式典には、会員189人が参集。遺族18人による奉献の儀が行われ、故人の好物が供えられた。この後、『震災後 六年の歩み』と題したスライドを上映し、震災後の活動を振り返った。『家族からの手紙』では、会員代表の3人が震災で亡くなった肉親に宛てた手紙を読み上げ、感謝と未来に向けて歩む決意を語った。
10日の石巻教会での慰霊法要では、支部法座を開き、震災から6年を迎えた心境を語り合った。震災時、総務部長として会員の安否確認に奔走した支部長(58)は「今も苦悩を打ち明けられないサンガ(教えの仲間)がいます。復興住宅では一人住まいの高齢者も少なくありません。皆さんの心を軽くできるよう布教に励みたい」と語った。
11日の仙台教会での慰霊・復興祈願供養には、会員528人が参集した。読経供養の後、5人の体験説法に続いて渡邊佳政・元教会長が講話。震災から七回忌を迎えるまでを振り返り、「私たちは震災によっていのちのかけがえのなさを学びました。亡くなられた方々のためにも、心一つに、生きがいを持って感謝で生きていきましょう」と語った。教会での式典後には、地域6カ所で慰霊供養を厳修した。
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、会員の8割以上が避難を続ける原町教会は10日、教会道場で慰霊復興祈願供養を行い、会員31人が参集した。読経供養の中で犠牲となった会員36人の戒名が読み上げられた。あいさつに立った久保木伸浩教会長は、自宅が避難指示区域にあるために帰宅できず、福島県内外の各地に避難を余儀なくされている人々の暮らしに言及した上で、庭野日敬開祖の『開祖随感』から「法座は道場にだけあるのではありません。人さまの訴えを涙を流して聞いてあげられる人がいるその場が法座です」との一節を紹介。目の前の人に寄り添うことの大切さを強調した。
平教会は12日に3カ所で慰霊・復興祈願供養を行った。薄磯地区では、今年建立された慰霊碑の前で式典を実施。薄磯復興協議会の鈴木勝委員長は、「七回忌にご遺族の念願だった慰霊碑を建立させて頂きました。震災の記憶を後世に引き継ぐことが私たちの使命」と語った。双葉郡広野町で被災した会員(39)は、「生かされている尊いいのちであることを忘れずに精進したい」と決意を述べた。
東京で募金活動も
一方、『福島を忘れない』を合言葉に、東京の杉並教会は11日、JR高円寺駅前など3カ所で街頭募金を実施。同教会では、震災直後から毎月11日に、壮年部員らが募金活動を展開している。北教会も同日、JR赤羽駅などで街頭募金を行った。
関連記事
3・11 震災から6年を迎えた被災地の声