大聖堂で「脇祖さま報恩会」 その遺徳を偲ぶ「報恩讃歎文」を奏上 (動画あり)
立正佼成会を庭野日敬開祖と共に創立した長沼妙佼脇祖。その祥月命日にあたる9月10日、東京・杉並区にある大聖堂で「脇祖さま報恩会」が行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。
新型コロナウイルスの感染対策として会員は参集せず、式典の様子がインターネットの動画共有サイトでライブ配信(会員限定)された。
長沼脇祖は昭和11年、多くの病を患っている時に庭野日敬開祖に導かれ、法華経に出遇(であ)った。回復後、常に人々の幸せを願って布教に歩き、同13年3月5日に庭野開祖と共に本会を創立した。67歳で遷化するまで、法華経に沿って慈悲喜捨の実践に努めるとともに、副会長として会員の教化育成に尽力し、本会の礎を築いた。平成12年には、会員に「慈母」と慕われた生涯を讃(たた)え、庭野会長から「脇祖妙佼慈道菩薩」の法号がおくられた。
式典では冒頭、長沼脇祖の講話や写真が収められた映像作品「脇祖さまを偲(しの)んで」が上映された。続いて読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長が、庭野会長の「報恩讃歎(さんだん)文」を奏上した。
次いで、千葉和男東京教区長が体験説法。信仰熱心な両親の姿に倣い、自らも信心を強めてきたと述懐した。さらに、母親から「自らが悪いと思う行いをしないこと」を、父親から「人の苦を丸ごと背負う覚悟で教会長の役にあたること」を教わり、今も心に刻んでいると述べた。
また、「現象をおおらかに明るく受けとめて、『さあ、仏さまの境地に歩み出そう』と、心を切り替えていくことが大切」という庭野開祖の言葉を引用し、コロナ禍の中で教えを支えとして自らが身を置く場所で修行していくことを誓った。
この後、庭野会長が登壇し、法話を述べた。
この中で、庭野会長は、古代中国の書物『易経』にある「窮すれば変ず、変ずれば通ず」という言葉を取り上げた。その上で、世界中がコロナ禍という過去に経験がないような困難に直面している現状に触れ、こうした時こそ、それまでの価値観や行動を変え、柔軟に新しいものを取り入れていく姿勢が大事と強調した。特に「一番頑固な自分自身が変わること」が肝心と語った。
また、『論語』の「吾(われ)日に吾(わ)が身を三省す」と、「明白簡易(めいはくかんい)」という言葉を紹介。「省」の「省(かえり)みる」「省(はぶ)く」という意味などを踏まえながら、日頃の自分を省み、無駄なことを省いて簡単にし、何事にもとらわれないよう心がけることで、余裕を持って物事に取り組めると説き示した。