佼成学園高野球部 都独自大会で準優勝 最後まで“全員野球”貫き奮闘
佼成学園高校野球部は8月7日、東京都高等学校野球連盟(都高野連)独自の「2020年夏季東西東京都高等学校野球大会 西東京大会」の決勝で東海大学菅生高校に3対4で惜敗し、準優勝で大会を終えた。
ダイワハウススタジアム八王子で行われた決勝で、佼成学園は3回表、ヒットと盗塁を絡めた攻撃で一死満塁とし、4番堀川拓真選手の犠牲フライで、俊足の飯森太慈選手が三塁から生還して1点を先制した。しかし、その裏、同点に追い付かれた。その後、中盤から終盤にかけて互いに1点ずつを取り合い、一進一退の攻防が続いた。
2対2で迎えた9回表、佼成学園はヒットと送りバントで二死三塁とし、主将の小柴滉樹選手の内野安打で勝ち越しに成功した。9回裏、東海大菅生の攻撃に移り、二死三塁からセンター前ヒットを打たれ、3対3で延長戦に入った。
10回裏、守備の佼成学園は、四球で出塁を許し、送りバントで一死二塁にされると、続く打者にセンターオーバーのサヨナラヒットを打たれ、3対4で試合終了となった。
試合を終えて小柴主将は、「甲子園のない夏でも、『東京優勝』を目指してやり切ろうと、チーム一丸となって練習してきました。悔しい結果になりましたが、強豪校相手でも、持ち味の粘り強さを発揮して戦うことができました。ここまで一緒に戦ってきたチームメートには、自分たちは本当によく頑張ったと声を掛けたいです」と語った。
藤田直毅監督は「選手たちはベストの力を出してくれました。勝たせることができなかったのは、監督の私の力が足りなかったから。彼らに(優勝という)勲章を授けてあげたかった」と選手たちの成長をたたえながら、率直な思いを口にした。今大会は、試合ごとにメンバーの変更が許されたため、藤田監督は勝ち進む中で全3年生をベンチ入りさせる采配を取った。“全員野球”で臨んだ今大会を振り返り、藤田監督は「夏の甲子園大会が中止になる中、都高野連はじめ多くの方が“最後の夏”を迎える3年生のために力を尽くし、代替の大会を開催してくださいました。部員たちには、そのことへの感謝を忘れず、将来、次の世代のために立ち上がれるような大人になってほしいと、伝えようと思います」と話した。
試合後には閉会式が行われ、佼成学園野球部に準優勝盾、メダル、賞状が授与された。スタンドに駆け付けた3年生の保護者からは、選手たちの健闘に大きな拍手が送られた。