「親子で取り組むゆめポッケ」 6月1日からキャンペーン開始 8月31日まで

昨年、レバノンでは「社会福祉と職業訓練のための全国協会」(NISCVT)の協力のもと、難民の子供たちにゆめポッケが配られた(写真=NISCVT提供)

「親子で取り組むゆめポッケ」のキャンペーンが、今年も6月1日から始まりました。この取り組みは立正佼成会の小学生、中学生が主体となり、世界の厳しい環境で暮らす子供たちに思いを寄せながら布製の袋(ゆめポッケ)に文房具やおもちゃを詰め、平和への祈りを込めたメッセージカードを添えておくるものです。1999年の活動開始からこれまでに、本会の子供たちが作ったゆめポッケが、現地の80万人以上の子供たちに届けられてきました。

紛争や貧困、差別、自然環境の悪化などが原因で、難民や国内避難民は2018年時点で7080万人に上ります。国連が統計を取り始めてから最も多く、毎年、数百万人単位で増えています。強制的に住む場所を追われた7080万人のうち、約50%が18歳未満の子供たちです。このほか、世界には紛争下で暮らす子供たちもいます。

ゆめポッケを届けているフィリピン・ミンダナオ島では、今年、イスラーム教徒が多く住む地域で紛争が発生しました。レバノンでは経済危機が起こり、混乱が続いています。加えて、新型コロナウイルスの世界的な流行は、難民や避難民、貧しい人々の大きな脅威になっています。このような厳しい時こそ、「ゆめポッケ」の活動に参加する一人ひとりが同じ地球に住む仲間として、現地の人々により一層の思いを寄せていくことができるのです。

ゆめポッケを手にして喜ぶパレスチナ・ガザ地区の子供たち(UNRWA提供)

この活動では、家庭でのゆめポッケ作りを通して、子供たちが親や祖父母、きょうだいなど家族と一緒に世界の現状を学び、いのちの大切さや平和の尊さについて語り合うことを大事にしています。さらに、厳しい環境で暮らす世界の人々に思いを馳(は)せ、「同悲同苦」の精神や人の役に立つことを喜びとする心を育むため、食事や菓子などを節して、その費用を献じられるようになることも願いとしています。

例年、各教会では事前学習会の実施が行われていますが、現段階では、新型コロナウイルスの感染予防のため、集合しての実施は難しくなっています。そのため今年のキャンペーンでは、「親子で取り組むゆめポッケ」のハンドブックの活用が推奨されています。

昨年リニューアルされたハンドブックには、「ゆめポッケ」の目的や活動に込められた願い、作り方、配付先の様子、ゆめポッケを受け取った子供たちの喜びの声などが掲載されています。ハンドブックは「一食(いちじき)を捧げる運動」のウェブサイト(https://www.ichijiki.org/)からダウンロードできます。また、活用ツールとして同ウェブサイト内のブログやLINE(ライン)公式アカウント「一食ニュース」でも配付先の情報などが随時発信されています。

今年の活動について、西由江習学部次長(青年ネットワークグループ)は、「世界中の人々が新型コロナウイルスによって不安を抱えています。こうした時だからこそ、一人ひとりの思いのこもったゆめポッケは、差別や偏見、分断や争いのあるところに希望と勇気を与え、世界の平和につながる“温かな一滴”になると思います。親子で配付先の子供たちに思いを馳せながら、各家庭でゆめポッケ作りに取り組んでみましょう」と話します。

【次ページ:「ゆめポッケ」の概要】