TKWO――音楽とともにある人生♪ テューバ・近藤陽一さん Vol.1

日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。また長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っていることから、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。連続インタビューの30人目は、テューバ奏者の近藤陽一さん。今回は、音楽の道を歩み出した頃のエピソードやTKWOにつながる出会いなどを紹介する。

楽器を奏でる楽しさに目覚めて

――初めて楽器を演奏したのは?

幼稚園児の頃ですね。幼稚園の先生が教室のオルガンで弾いた曲を、自宅のオルガンでまねしてよく弾いていました。それを見た親が、近所にあったピアノの個人レッスンの教室に、小学校低学年から通わせてくれたのです。

その後、小学3年生の時の運動会で、吹奏楽部のマーチングバンドが動きを加えたフォーメーションを付けて演奏する姿に魅了されました。それで、翌年に吹奏楽部に入部したのです。顧問の先生が勧めるままにテューバを吹くことになりました。この時がテューバとの出合いです。

テューバは主に低音を演奏する楽器で、曲のリズムを整えて演奏の全体を支える「縁の下の力持ち」のような存在になります。高音域を担当するトランペットなどの楽器の音色をより引き立たせるには、高音を出す楽器の音色に厚みを持たせられるテューバが、重要なカギを握っているんです。そんなところにもやりがいを感じていました。演奏中のテューバの出番はとても多く、吹き通しなこともよくありましたが、練習を苦しいと感じたことは一度もありません。小学校卒業までの3年間はいつも演奏や練習に楽しく励んでいました。

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