全国教育者習学の集い 温かい声掛けで導く人に 認定NPO法人「ロージーベル」の大沼理事長が講演
『2020 ☆日々新たなスタート☆』をテーマに、今年次の「全国教育者習学の集い」(教育グループ主管)が2月8、9の両日、法輪閣で開催された。全国から教育関係者など294人が参加した。
8日の開会式では、田中啓之習学部次長(教育グループ)があいさつし、『尋常(つね日ごろをたずねる)』と題した庭野日鑛会長の今年の『年頭法話』の内容を確認した。
続いて、『「差し伸べる手」~君の笑顔に会いたくて~』と題し、認定NPO法人「ロージーベル」理事長の大沼えり子氏が講演した。
大沼氏は、保護司を委嘱された19年前、少年院に在院する若者の多くが親から虐待を受けるなど、恵まれない家庭環境に置かれていることを知り、胸を痛めた体験を述懐。シンガー・ソングライターとして、当時、地元FM局のパーソナリティーを務めていたことから、自作の曲に応援メッセージを添えて独自の「DJ番組」を作り、録音したものを毎月、三つの少年院に贈るようにしたことを紹介した。
また、少年院を出た若者が共同生活を送る「少年の家」(ロージーハウス)を設立し、若者の社会復帰を支援していることや、電話相談などの活動に言及。「たった一人でいいのです。真剣に自分を思ってくれる人がいれば、子供たちは決して非行に走りません。『大丈夫?』とひと言、声を掛けられる人を育てていきましょう」と語り掛けた。
9日には、保育士の船橋教会会員、元中学校校長の鳥取教会会員が実践発表。教育現場での教えを生かした触れ合いや取り組みを語った。
この後、中村記子習学部部長が講話。二人の発表をかみしめた後、事件を起こす若者の心理などに触れた上で、「即是道場」の精神で世の中の苦に分け入り、人々の善き縁になる大切さを示した。
参加者はこのほか、「校種別話し合い」や「地域別かみしめ法座」を通して、学びを深め合った。