新宗連青年会 第54回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典
新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)主催の「第54回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」が8月14日、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催された。加盟教団の会員、信徒ら約1800人が参列。立正佼成会から庭野光祥次代会長(新日本宗教団体連合会=新宗連=理事)、中村憲一郎常務理事(同会計委員長)らが出席した。
同式典は、教義や信条の違いを超え、平和の礎となった全ての戦争犠牲者に慰霊の誠を捧げるとともに、「絶対非戦」の誓いを立て、平和を祈願するもの。1962年から行われている。
午後6時、宮口弘道・新宗連青年会委員長(善隣教青年本部長)によるあいさつで開式。宮口委員長は、昨今、各国で人々の不信や対立、分断をあおるような政治指導者の言動が見受けられるとし、緊張が絶えない国際情勢に憂慮を示した。その上で、「子供たちが夢や希望を追い求めていける平和な時代」「お互いの心を大切にする『思い合い』の世界」を築くため、世界平和と絶対非戦の誓いを新たにすると表明した。
続いて、新宗連を代表し岡田光央理事長(崇教眞光三代教え主)があいさつ。「私たちは、宗教が違っていてもなお、同じ信仰者として人の苦しみを察することのできる者たらねばなりません」と述べ、さまざまな争いや対立を超え、平和を実現するために、「赦(ゆる)し」の心が大事であると強調した。
この後、加盟教団の青年女子53人による献灯と青少年5人による折り鶴の奉納に続き、教団別礼拝が行われた。本会の礼拝では三善健雄・総務部スタッフ(渉外グループ)が導師をつとめ、戦争犠牲者に哀悼の誠を捧げた。
最後に、新宗連加盟教団の青年を代表し、妙智會教団の女性(34)が「平和へのメッセージ」を発表した。女性は、新宗連青年会中部連盟のピースフォーラムで第二次世界大戦時の沖縄戦について理解を深め、過ちを二度と繰り返さないために「学び」の重要性を実感したと詳述。終戦から74年が経ち、平和に過ごせる日本の現状を当たり前のことと考えるのはとても危ういと述べ、「戦争を知らない私たちが次の世代へと戦争について伝えていく番。平和を頂いている日本だからこそ、平和について考え、世界に伝えていきます」と決意を表した。
同式典に参列した本会練馬教会の会員(18)は、「式典を通じ、争いのない平和な社会を皆が願っていると改めて実感しました。身近に平和をつくり出すため、まず私から、相手を理解しよう、自分を知ってもらおうという意識で、目の前の人と触れ合っていきたい」と語った。