創立81周年記念式典祝辞 円応教教主・深田充啓師

開祖、庭野日敬先生は、万人に救いの手を差し伸べられ、いつも笑顔で接しておられました。その笑顔は、まるで慈愛に満ちた菩薩のようで、会員の皆さまはもちろん、私も勇気と希望を頂いた一人でございます。

昭和26年、私の恩師、大石秀典先生の呼び掛けで、開祖さまと、パーフェクト リバティー教団の御木徳近先生、そして私の父であります、円応教初代教主も参加させて頂き、新日本宗教団体連合会(新宗連)が誕生いたしました。宗派を超えた宗教協力によって世界平和を目指し、共に歩み、実現していこうとされた開祖さまの熱き思いと、お働きがあればこそと思っております。そして、国内外へ積極的に「諸宗教対話と協力」を発信され、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)、アジア宗教者平和会議(ACRP)を発足されるなど、世界に向けても多くの功績を遺(のこ)されました。

その偉大な開祖さまを、私も父のようにお慕い申しておりました。中でも私の教訓となりました出来事がございます。開祖さまが新宗連の二代理事長でありました昭和46年春です。新宗連青年会(新日本宗教青年会連盟)が結成されて以来の委員長、妙智會教団の石田曻先生が退任され、次期委員長を私に、とお話がありました。青梅練成道場に泊めて頂き、翌日、開祖さまとご一緒に、石田先生、庭野欽司郎先生、そして私と、ゴルフをするという機会がありました。私たちが、ゴルフ会場に、約束の時間間際に着きますと、開祖さまから「行事に参加する時には、一時間前に来なければなりませんよ」「これからは何事も時間に余裕を持ってお越しくださいよ」とお教え頂きました。それからというもの、何か行事があるごとに、必ず余裕を持って会場に到着し、皆さまをお迎えするようにいたしております。

ゴルフの後、青年会委員長を受けるかどうか悩んでおりました私に、開祖さまが「深田さん、お受けなさい」とおっしゃられ、私は、その一言でお受けすることを決めたのです。新宗連青年会では、宗派を超えた仲間と、宗教協力を呼び掛け、「東南アジア懺悔行」にも取り組みました。開祖さまのお導きによって、かけがえのない友と貴重な体験を積むことができました。

また、新宗連の四代理事長に私が就かせて頂きました時にも、開祖さまから「先生の若さと、行動力で新宗連を盛り上げてください」と激励のお言葉を頂きました。先達の先生方のご遺志を心に「信教の自由」と「宗教協力」の大切さを継承しなければと、心も新たに務めさせて頂きました。そして、五代理事長には、庭野会長にご就任頂き、後任の指導にもあたってくださいました。

昨年の7月には私どもの教団の立教百年祭に、ご多忙の中、会長ご夫妻に、ご出席頂き、親しみある温かいご祝辞を頂き、信者一同、感激いたしました。庭野会長は年頭のご法話で、「『人を植える』『育てる』ことは将来を見据えた社会づくり、国づくりの最重要課題」と説いておられます。少子化の時代、次の世代を担う若者の心に、信仰の種、そして平和の種をまき、共に育て合う大切さを教えて頂いたわけでございます。

今後とも会員の皆さまが、心を一つに、菩薩道を邁進(まいしん)され、創立百年、百五十年を目指されまして、一層、貴会が発展していかれますことをご祈念申し上げます。
(文責在記者)

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