WCRP/RfP女性部会が「いのちの学習会」 障害者を社会的弱者にしないために
7月23日、カトリック・イエズス会岐部ホール(東京・千代田区)で開催された世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会女性部会による「いのちに関する学習会」での冒頭、講師の石川明代さん(52)は障害者を取り巻く現状について、こう言葉を発した。
「障害を理解するための最善の方法は障害者と日常を共にすることです。しかし、これまで学校や職場で障害者と健常者が共生する機会はほとんどありませんでした。その結果、私たちは多様な人たちがいない状況を“普通”だと思っているのではないでしょうか」
当日は『「障がい」について実践的に学ぶ』をテーマに、障害平等研修(Disability Equality Training=DET)として開かれた。石川さんは、頸椎(けいつい)損傷と脳機能障害により車椅子を使って生活しており、NPO法人「障害平等研修フォーラム」の認定Aランクファシリテーター(対話の進行役)を務めている。
障害平等研修は、英国で障害者差別禁止法を推進するための講習会として発展。研修参加者は障害に関する知識の取得だけではなく、所属する会社や組織・集団内での障害者への差別や排除の状況を分析し、自らが現状を変えていく主体となることを目的にしている。
日本国内では障害者差別解消法を推進するため、2014年7月、DETの普及を目的に同フォーラムが設立された。ファシリテーターを務める障害者との対話やグループ討議を通して参加者自身が答えを導き出すことに、ワークショップの特徴がある。
講習会は、参加者60人が10班に分かれてスタート。「障害」に対して抱くイメージをそれぞれが用紙に記入した後、車椅子の女性が買い物に店を訪れている場面のイラストを参照し、「障害はどこにあるのか?」について議論。女性の脚部や、店舗の入り口に続く階段など障害と思うところに付箋を貼り、班内で意見を交換しながら「障害とは何か」を検討した。
イラスト上に示した障害を解消するために、「リハビリや治療で脚の機能を回復させる」「スロープやインターホンを取り付ける」といった意見が各班でまとめられた。この後、参加者は障害に対する差別をテーマにした映像を視聴し、差別となる場面を指摘。「何が差別に当たるのか」「どう解決すべきか」などの課題に取り組んだ。