佼成霊園の新しい取り組み

「お墓の承継者がいない」という現状や、「子や孫に安心してほしい」などの思いで、一般墓(家族単位で代々引き継ぐ伝統的な墓地)以外の形での供養や「墓じまい」を考える人が増えている。そのような社会事情を踏まえ、佼成霊園(東京・東大和市)が提案する新たな取り組みを、供養や改葬に関する疑問に答えながら紹介する。

個別安置型共同墓「法輪墓」

佼成霊園は、1951年に開園した。ご本尊像が勧請された「本堂」を中心に、「開祖さまご墓所」「脇祖さまご墓所」をはじめ、生きとし生けるもの全ての御霊(みたま)を供養する「萬霊供養塔」や、永代供養の中心的な供養の場としての「聖霊殿」、合祀(ごうし)墓「光明陵」が建立されている。敷地が広く、ゆったりと墓参りできる一般墓は、約7500区画を備える。

近年は社会情勢を反映し、永代供養墓の新規契約が増加している。ただ、「家のお墓がないのは寂しい」という声もある。そのようなニーズに応え、同霊園では今年3月、承継者がいらず、経済的負担も少ない個別安置型共同墓「法輪墓」を新設し、予約受け付けを開始した。

法輪墓

庭野日鑛会長が「まるで法座をしている輪のよう」と名付けた「法輪墓」は、“サンガでお墓を守る”がキャッチフレーズだ。墓地面積は11平方メートルで、シンボルとなる五輪塔を中心に、左右に納骨室(1カロート縦20センチ×横25センチ×深さ60センチ)が16室ずつ並ぶ。家名や戒名を刻字した銘板を配した納骨室には、納骨袋に収めた遺骨を四柱まで埋葬できる。

契約期間は最長で三十三回忌まで。契約満了後、遺骨は「聖霊殿」に1年間収蔵され、その後、合祀墓「光明陵」へ埋葬される。

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