「一食を捧げる運動」啓発――心をつなぐ思いを届ける

「一食(いちじき)を捧げる運動」(一食運動)のさらなる推進を図る「一食啓発月間」が、5月1日から実施されている。今年打ち出された「一食運動」の新たな「中期推進計画」(2024~26年)の核となるのが、子どもたちが主体的に一食実践に取り組む「いちじきキッズチャレンジ『ドリーム・ギフト』」だ。新たにスタートした活動の概要と、今年度の支援先であるウクライナの子どもたちの様子を紹介するとともに、新たに就任した本会一食平和基金運営委員会の齊藤佳佑委員長(教務部長)の談話を掲載する。

新「中期推進計画」発表

「一食運動」は、厳しい生活を送る人々に思いを馳(は)せ、食事や嗜好(しこう)品を控えた費用分を献金するという、会員の真心の実践による取り組み。一食平和基金に寄せられた浄財は約80の国や地域で人道支援などに拠出され、総額は158億円以上に上る。

紛争や災害など国内外で発生する地球的規模の問題は年々、深刻化しており、緊急支援から長期的なサポートまで、一食運動の浄財による多岐にわたる支援が求められている。また、同運動に取り組む人々の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、運動の在り方も問われている。

これを受け、一食平和基金運営委員会は先ごろ、同基金の「中期方針」(24~29年)と、運動の「中期推進計画」を刷新。これら二つを、分断を乗り越える結び付きを世界につくる「一食イニシアティブ」(一食の中期的な取り組み)に定めた。

このうち、運動の中期推進計画では、テーマを『こころがよろこぶ一食』に設定。人の役に立ちたいと思い、行動に移せた時の喜びを大切にして、実践者が自分のタイミングで、可能な範囲で献金する主体的な実践スタイルを提案する。

また、一食実践を通じて支援を受ける人(受益者)とのつながりが実感できるよう、メッセージのやりとりやオンラインによる対話の機会を提供する。

このほか、一食運動のウェブサイト上で運動の理念に触れるワークの開設や献金箱などツールに関するデータの提供、受益者を身近に感じる映像の配信が行われる。

この中で、同運動が次世代に浸透することを目指して、日本の子どもたちが一食運動を実践し、世界の子どもたちにギフトと手紙をおくる「ドリーム・ギフト」が3月から始まった。日本の子どもたちと世界の子どもたちがつながり合い、同じ地球に住む仲間として仏性を拝み合いながら、平和で調和のとれた世界が築かれることが期待されている。

一食運動ウェブサイト
https://ichijiki.org/

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