NPT準備委に際しWCRP/RfP日本委が取り組み 「核兵器のない世界」の実現目指してPNND、「ヒバクシャ国際署名」と協働

イベントには国連、NGO、学生、メディア関係者ら約80人が参加。PNND日本から藤末氏が出席した。席上、準備委員会のサイード議長に約941万筆の署名が提出された。次いで神谷氏が、被爆者のメッセージと宗教者がよって立つ原則は共通していると話し、「核兵器が道義的、倫理的に正当化されることはない」「核兵器の禁止と廃絶は、神聖な責務である」「核兵器の使用のみならず、保有することさえ宗教的価値に反する」「核兵器は、『絶対悪』であり、『必要悪』ではない」という四原則を挙げ、PNND日本と同日本委の共同提言文について説明した。

この後、木戸氏が5歳の時に長崎で被爆した体験を発表。「私たちのいのちが少なくなってきた今、将来の子供たちに青い地球を残したい」との思いで署名活動を始めた心境を語った。濱住氏は胎内被爆者として証言を行った。原爆によって49歳で亡くなった父親の思いに触れ、「核兵器が存在する限り、被爆者は安心できない」と訴えた。

質疑応答へと続き、「原爆投下は戦争を早く終わらせたのではないか」との問いに対し、木戸氏が回答。「原爆が戦争を終わらせたと認めることは、戦争を終わらせるために核兵器の使用を容認することになります。戦後74年間、多くの戦争が起きましたが、原爆が戦争を終わらせたことは一度もありません。原爆には戦争を終わらせる力はありません」と強調した。

質疑応答では活発に意見が交わされた。同日本委の神谷、篠原両氏は「印象的だったのは若い人たちが積極的に質問をしている姿で、被爆者の願いを継承していきたいという強い意志が表れていました。ヒバクシャ国際署名は、『核兵器のない世界』という願いを世界の人々と共有するものです。同時に、『再び被爆者をつくらない』という被爆者の意志を若い世代に継承していく意義があります」と話した。さらに、今回の準備委員会の視察を通じ、「核兵器国と非核兵器国の意見の相違が続いています。だからこそ、世界中の人がつながり、連帯を深めていくことが大事になると思うのです」と語った。
(写真提供・WCRP/RfP日本委)