一食ユニセフ募金の浄財がリベリアで 女性や子どもの笑顔があふれる社会に

一食ユニセフ募金の浄財は、リベリアに暮らす10代の母親や子どもたちの保護事業に役立てられている

「一食(いちじき)ユニセフ募金」による浄財の活用状況を視察するため、立正佼成会青年ネットワークグループのスタッフ2人が日本ユニセフ協会の職員と共に西アフリカのリベリアを訪れた。同国では、1989年から2003年まで二度の大きな内戦が勃発。その後、14年から16年にかけてのエボラ出血熱の流行で多くの人命が失われ、孤児が急増した。同募金の浄財は、ユニセフと世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会の共同事業に充てられており、同国では2011年から現地の諸宗教者と協力しプロジェクトを実施。現在は「内戦とエボラ出血熱で影響を受けた子どもの心のケア」を展開している。各地での取り組みを取材した。

内戦やエボラ出血熱の影響を受けた地域で 諸宗教者が協力

人口473万人のリベリアの平均年齢は18歳と若い。16年前まで続いた二度の内戦で多くの犠牲が出た影響だ。ほぼ全土が戦地となり、死者は推定で27万人以上、人口の半数を占める220万人が家を追われ、難民・避難民となった。

「戦争は多くの子どもたちを加害者や被害者にしました。少年は子ども兵として武器を持ち、少女たちは村を襲った兵士からレイプをされたのです。戦後、誰もが希望を失っていました」。そう振り返るのは、リベリア諸宗教評議会(IRCL)のレベッカ・メイジャー副事務局長(37)だ。

IRCLは、同国の「キリスト教評議会」と「イスラーム評議会」を束ねる組織で、内戦のさなか、諸宗教者は協力して停戦に尽力した。宗教者が信徒に発するメッセージの影響力は大きい。内戦で村や家族の結びつきが壊され、さらにエボラ出血熱の流行によって疲弊した地域で、今日まで支援活動を展開してきた。

一食ユニセフ募金の浄財はIRCLが主導する子どもの保護事業と、IRCLの女性メンバーによって2010年に設立された「ウーマンオブフェイス」(Women of Faith=WoF)が行う10代の母親への職業訓練に充てられている。これらの事業はこれまで、行政区全15郡のうち9郡で実施され、現在は、首都のあるモンセラード、ボン、ニンバの3郡で展開されている。今回の訪問ではまず、少女たちへの支援現場を視察した。

一食ユニセフ募金

「一食を捧げる運動」の精神を一人でも多くの市民に理解してもらうため、世界の人々の平和、幸せを願って行動する仲間を増やしていきたいとの願いをもとに行われている。ユニセフと本会のパートナーシップ事業は、紛争や貧困に苦しむ子どもたちを守るため国際児童年にあたる1979年からスタートした。これまでに街頭募金やチャリティーバザーなどさまざまな活動の中で市民から寄せられた浄財が支援に充てられてきた。現在は、リベリア、シエラレオネ、グアテマラの3カ国で、母親や子どもたちのこころとからだに栄養を注ぐプロジェクトが展開されている。

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