清水寺に伝わる「おもてなし」の心

清水寺に伝わる「おもてなし」の心(2) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

見えないものへの意識 感謝と尊敬を未来へ継承

「ここから次の目的地まで、ゆっくり歩いて5分ほどです」。境内にて参拝者を案内する際、私はいつもこのように声を掛ける。相手の都合にもよるが、本堂をはじめ4、5カ所ほど回ることが多い。その中で出発地点から次の目的地までのおおよその所要時間をその都度、事前に伝えるよう努めている。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(1) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

清水寺での日々

「どうして和尚をしているのか」。今まで度々尋ねられた質問の一つだ。

寺務所職員によるお茶とお菓子の接待が整うと、それからが境内案内役としての自分の出番となる。案内役は簡単なようで難しい。来賓が待つ迎賓室へ向かう時に独特の緊張感がある。その時お目にかかる方々のほとんどが初対面であるからだ。

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