第34回庭野平和賞贈呈式 ムニブ・A・ユナン師 受賞記念講演
宗教間の対話という営みは芸術のようなもので、現代の私たちには、多くの芸術家が必要です。協調して働き、愛のシンフォニーとなるような群衆が必要なのです。そして共々に、神の御助けを頂き、反ユダヤ主義のない、イスラム嫌悪のない、キリスト教徒嫌いのない、外国人嫌いのない、そしてあらゆる種類の嫌悪のない新しい世界を、私たちは創作しなくてはならないのです。すべての人が、宗教や性別、宗派、階級、伝統に関係なく、声を出して創造の歌を歌うという義務と喜びがそこにはあります。
最後に皆さま、いま一度、私に庭野平和賞を贈ってくださったことに対して、私は深く感謝申し上げます。この賞を受けることは、私が諸宗教対話の取り組みから卒業することではありません。むしろそれどころか、私のささやかな貢献をご照覧くださった方々がおられることを知り、息をし続ける限りは世界的に重要な諸宗教間の課題に対して取り組みを続けねばと、大いに励まされました。
心からの感謝を、私の家族、とりわけ諸宗教対話を強く信じる者の旅路を共に歩んでくれた私の妻スアッドに捧げたいと思います。そして、私の教会であるヨルダン及び聖地福音ルーテル教会と、私に国際的な舞台で発言し働く機会を与えてくれたルーテル世界連盟に感謝申し上げます。
親愛なる兄弟姉妹の皆さま、私たちが他者の中に神の顔を見るとき、今度は他者が、私たちの中に神の顔を見てくださるのです。その時に初めて、私たちは、平和と公正さ、世界における和解という神ご自身の目的を、遂行することができるのです。
皆さまお一人おひとりに神のご加護がありますように。
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