〈ひと〉本会での1年間の現地調査を終え母校・マンチェスター大へ ディフェボ・アウラさん

立正佼成会の社会福祉活動を研究するため、昨年9月に英マンチェスターから来日した。本会での約1年間の現地調査を終え、来月上旬、マンチェスター大学に戻る。「佼成会の信者さんは、優しくて、他者への思いやりが深い。さまざまな社会福祉活動の根底には、信仰に基づいた慈しみの心があると分かりました」。

日本の宗教に興味を持ったのは、大学生の頃。母国のイタリア・ローマ大学で、日本文化を広く学んだ。とりわけ、多様な宗教宗派が共存する日本の寛容性に引きつけられたと言う。卒業後、東洋学研究機関として世界に知られるナポリ東洋大学の修士課程に進学。マンチェスター大の博士課程に進み、『日本の宗教団体の社会活動』を研究テーマに取り上げた。

2年前、教団ウェブサイトを通し、研究への協力を直接依頼した。来日後は、本部の社会福祉講座を受講したほか、都内の新宿、練馬、板橋の3教会を中心に訪問し、清掃奉仕や高齢者施設での福祉活動を会員と共に体験。これらの活動と信仰がどのように関連するかを探るため、会員40人以上に聞き取り調査を行った。

また滞在中、頻繁に足を運んだ新宿教会で、道場当番や、集った人たちが悩みや喜びを語り合い、出された問題を仏法によって解決する法座に参加。昨年10月の「お会式・一乗まつり」では、揃(そろ)いの法被を身にまとい、青年部員と太鼓を打ち鳴らしながら大聖堂周辺を行進した。持ち前の明るい性格と流暢(りゅうちょう)な日本語で会員ともすぐに打ち解け、同教会では“笑顔のアウラさん”と呼ばれるほど人気者に。「たくさんの会員さんとの触れ合いを通して、人生の幅を広げてもらえました。お世話になった方々のためにも、日本で学んだことをしっかり研究に結びつけたい」と意気込みを語る。