8月に比叡山宗教サミット30周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」を開催
比叡山宗教サミット30周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・日本宗教代表者会議=日本宗教連盟協賛5団体をはじめ諸宗教宗派・教団で構成、立正佼成会も参画)が8月3、4の両日に開催される。これに先立ち、6月28日、京都市内のホテルで記者会見が開かれ、概要が発表された。
1986年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼び掛けで、世界の宗教指導者がイタリア・アッシジに集い、「アッシジ平和祈願の日」が開催された。翌年、「宗教の原点である祈りを通して平和への誓いを新たにする」という「アッシジの精神」を継承するものとして、山田惠諦第二百五十三世天台座主の提唱により「比叡山宗教サミット」が開かれた。以来毎年、比叡山延暦寺で国内外の諸宗教者による世界平和の祈りが捧げられてきた。
30周年を記念する今回のテーマは『今こそ平和のために協調を――分裂と憎悪を乗り越えて』。キリスト教、イスラーム、ユダヤ教、神道、仏教、ヒンドゥー教、ゾロアスター教など、20カ国から25人の海外招へい者を含む約2000人の宗教者が参加する。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会会長を務める本会の庭野日鑛会長が、主催団体である日本宗教代表者会議の名誉顧問に就任。庭野光祥次代会長、川端健之理事長、中村憲一郎常務理事が常任委員を務めている。
8月3日の開会式典は国立京都国際会館で催され、明石康元国連事務次長とウィリアム・ベンドレイWCRP/RfP国際委事務総長の基調講演に続き、講演を踏まえたシンポジウムが行われる。また、同日夜、天台宗青蓮門跡将軍塚青龍殿で、戦争や自然災害の犠牲者に対し「鎮魂の祈り」が捧げられる。
翌4日には、『核廃絶と原子力問題を考える』『貧困の追放と教育の普及』をテーマに、「分科会」を実施。その後、比叡山延暦寺で「世界平和祈りの式典」が執り行われる。
6月28日の記者会見には、日本宗教代表者会議の黒住宗道常任副委員長(黒住教副教主)、山田匡男運営委員長(新日本宗教団体連合会総局長)、杉谷義純事務局顧問(WCRP/RfP日本委理事長)、杜多道雄事務総長(天台宗宗務総長)、阿部昌宏総務部長(天台宗総務部長)が出席した。
席上、同集いの概要説明に立った杜多事務総長は、「偏狭な自己中心主義が世界にまん延する今こそ、自分とは違う価値観を持つ人々への寛容さが求められる」と表明。宗教・宗派の違いを超えて対話を重ね、宗教的叡智(えいち)の限りを尽くして、貧困、飢餓、差別、人権侵害、核拡散といった世界の諸問題に向き合っていく決意を述べた。
なお、「開会式典」「基調講演・シンポジウム」「世界平和祈りの式典」は、市民に広く参加を募る予定。申し込みの詳細は「比叡山宗教サミット」ウェブサイト(http://www.tendai.or.jp/summit/)参照。