「『平和評議会』からの離脱を/インドネシアの宗教・市民指導者」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

「平和評議会」からの離脱を/インドネシアの宗教・市民指導者(海外通信・バチカン支局)

3月10日、アジア7カ国の元首相や現役の閣僚らが集い、国際秩序について議論する「第1回アジア円卓会議」が東京で開かれた。その機会に、岸田文雄元首相と共に共同議長を務めたインドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ元大統領は、「朝日新聞」のインタビューに応じ、「正義の伴う世界秩序を追求することを諦めてはならない。例えば日本、ブラジル、インド、インドネシア、その他の中堅国が結束して国連改革を再び推進すれば、今よりはるかに良い結果が得られるはずだ」(16日付「朝日新聞デジタル」)と発言した。

インドネシアでは最近、米国とイスラエルによるイラン攻撃を非難する宗教者や市民指導者たちの声が強くなるとともに、米国のトランプ大統領が主導する「平和評議会」からの離脱を求める声が顕著になっている。ローマ教皇庁外国宣教会(PIME)の国際通信社である「アジアニュース」は7日、「インドネシア社会の幅広いセクターで、米・イスラエルによるイラン攻撃に対する批判がなされ、『平和評議会』への参加が国の外交政策に反するとの主張が強くなっている」と伝えた。同国のイスラームや同組織の指導者で構成される「インドネシア・ウラマー評議会」(MUI)、国会議員、市民社会の指導者や諸団体が、米・イスラエルのイラン攻撃に反対し、「平和評議会」からの離脱を政府に要求しているのだ。

MUIは、このほど明らかにした「公式声明文」の中で、「イランに対する軍事攻撃が、人道と1945年に制定された同国憲法の序文に反する」として糾弾し、「平和構築の足場となるはずの『平和評議会』が、紛争を激化させている」ため、「同評議会から即刻に離脱するよう政府に要求」している。さらに、同国内の60人の有識者と、約70の市民団体は1日に公表した「合同請願文」を通して、「米・イスラエルによるイラン攻撃が国際法の蹂躙(じゅうりん)であり、世界平和に対する甚大なる危機となった」のみならず、平和評議会が軍事攻撃を正当化するための「戦争評議会」に変貌(へんぼう)したと、非難している。

同国のスギオノ外相は、「イラン情勢に注意を集中させるために、平和評議会についての考察は一時的に停止しているが、湾岸諸国との協議は継続している」と弁明する。だが、「インドネシア・イスラーム大学」(UII)のファトゥル・ワヒド学長は、同国政府のイラン攻撃に対する不明確な態度を指摘しながら、「インドネシアの外交政策ドクトリン(基本原則)を弱める」と批判した。

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