一食平和基金「令和8年度運営計画」を発表 総額2億5550万円を8分野に

「自分の心がよろこぶ時」を大切に
本会一食平和基金運営委員会委員長 山中快之
「一食を捧げる運動」(一食運動)は1975年9月に始まり、2025年で50周年を迎えました。この間、「私たちは大いなる一つのいのちに生かされた兄弟姉妹である」という仏教観に基づき、月に数回、食事や嗜好(しこう)品などを控えた分の費用が献じられてきました。
こうして寄せられた160億円以上の浄財は、貧困の解消や緊急支援などさまざまな分野に活用されてきました。幸せで笑顔あふれる平和な世界の実現を祈り、浄財を献じてくださったことに対し、厚く御礼申し上げます。
振り返ると、世界的なコロナ禍の中で、私たちは社会活動を止めてでも尊い人命を守ろうとしたり、オンラインを駆使したりして、心のつながりを大事にしました。”共に幸せになりたい”という人間の本質的な願いが発現した光景が各地で広がったのです。
しかし、今は再び自己中心的な心がまん延し、力の論理による分断や対立が世界中の人々を混乱に陥れており、大変な危機感を覚えます。
そうした中だからこそ、過去の歴史に学び、コロナ禍で広まったあの願いを思い出して前に進まなければと思います。法華経を信仰した童話作家の宮沢賢治は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を遺(のこ)しました。
私たちも、今こそ全ての人が幸せを感じる社会づくりに励むことが自らの幸福につながると信じ、相手に対して自分の大切なものを捧げたり、思いやりや優しさを発揮したりする一食運動の持つ精神的・文化的な価値観を、特に次代を担う青少年に伝えていくことが大切です。
一食平和基金では、「中期推進計画」のテーマとして『こころがよろこぶ一食』を掲げ、食事を抜くことを基本としつつも、「私らしい一食の実践」を提案しています。一食運動に主体的・自立的に取り組むためにも、「自分の心がよろこぶとはどんな時か」と自問自答してみましょう。
思うように実践できない時もその気持ちを味わい、しっかり向き合うことで、新たな発想や視点が生まれ、心の成長のきっかけにもなる、それが一食実践の醍醐味(だいごみ)といえます。
これからも、”誰もが取り組める一食運動”をお互いさまに実践し、一食の輪を世界に押し広げて、共に平和な世界を目指して歩んでいきましょう。





