「一食福島復興・被災者支援」事業報告会 東日本大震災から15年

一食が広げる善意の輪

意見交換では、被災地の郷土芸能に移住者が参加し、共に盛り上げることでコミュニティーの再建を目指すなど、具体的な取り組みの事例が語り合われた

報告会に出席した福島県内の各教会の会員たちは、各団体の発表を通して、一食運動の浄財が地元の復興を支えるために活用されてきた意義をかみしめた。

平教会の支部長(64)は「さまざまな課題に苦労しながら復興に取り組む皆さまが、見返りを求めず行動されてきたお話を聞き、一食運動の『同悲・祈り・布施』という精神の尊さを改めて感じました。私たちも地域で身近な人とつながり、寄り添っていく活動を大事にしたい」と語った。

また、食事を控えることで空腹感を味わうなどして、苦境にいる人々に思いを寄せる一食運動の精神は、被災地で活動する各団体にも広く受け入れられた。21年度から同事業に携わってきたUNNの鈴木氏は語る。

「余分なお金ではなく、大切な食事を抜いて集められたお金を預かると知った時、自分たちも同じくらいの気持ちで取り組まなければと決心しました。ご寄付を頂いた皆さまに、心から感謝申し上げます」

UNNでは26年度以降も、一食運動を縁としてつながりを深めた各団体との連携を続け、交流会や活動のサポートを行っていく予定だ。

なお、報告会の翌7日には、同基金運営委員と事務局員らがUNNの案内で被災地を視察。原発事故の影響が色濃く残る大熊町を見て回ったほか、「東日本大震災・原子力災害伝承館」「震災遺構・浪江町立請戸小学校」を訪問し、震災による被害の実状や復興政策の進展について学んだ。

双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」には、原発事故直後の状況や避難生活の様子がさまざまな資料や証言をもとに展示されている。今年4月には、隣接する土地に「復興祈念公園」が開園予定だ

福島県唯一の震災遺構・浪江町立請戸小学校では、津波の被害を受けた校舎をそのまま保存し、震災の記憶を伝え続けている。順路には、児童・教職員の全員が奇跡的に避難するまでの経緯も展示されている