一食平和基金 パレスチナ・ガザ地区の人道危機に緊急拠出 300万円

子どもの栄養についての保護者向け講習(JVC提供)
本会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=齊藤佳佑教務部長)はこのほど、パレスチナ・ガザ地区での大規模紛争による人道危機に対し、300万円の緊急支援を発表した。拠出金は、同地区で救援活動を展開する認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)に寄託された。
2023年10月7日、イスラーム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲が行われて以降、ガザ地区では、度重なる空爆と地上戦によってインフラのほとんどが崩壊。子どもを含む多くの住民が死傷し、生き残った人々も長期に及ぶ避難生活に苦しめられている。今年1月19日には停戦プロセスが開始されたものの、3月18日には停戦が破られ、イスラエル軍による攻撃が再開されている。
パレスチナ当局によると、戦闘開始から住民5万8026人が死亡し、少なくとも13万人以上が負傷している(7月13日時点)。また、3月2日以降、同軍によって食料や医薬品を含む全ての人道支援物資の同地区への搬入が停止。電力や水の供給も途絶え、同地区の人々は深刻な飢餓の危機に直面している。さらに、地区内にあるほとんどの病院が、攻撃によって機能停止もしくは部分的な稼働しか行えない状況にあるという。
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JVCのパートナー団体が支援活動を行う、ガザ地区内で避難所に指定されている学校(JVC提供)
これを受け、同基金運営委では、極めて深刻な人道危機を憂慮し、一刻も早い支援が必要と判断。今回の戦闘開始以前からガザ地区で、アルデルインサーン(AEI)とパレスチナ医療救援協会(PMRS)の二つの現地パートナー団体と協力して支援活動を実施してきたJVCに浄財を寄託した。
JVCは今後、AEIと協働し、2歳以下の子どもたちの栄養状態の把握に努めるとともに、月齢に応じた栄養補助食品の配布や栄養失調予防のための保護者への個別カウンセリングなどを行う。また、PMRSを通じては、医療支援として乳児用の粉ミルクの配布や、医薬品の供給などの支援を実施していく。