港教会 新たな万灯を披露 普門エリアで初行進

壮年部員が新万灯を威勢よく担ぎ上げると、集まったサンガは手拍子とかけ声で応援した

5月24日、立正佼成会の普門エリア(東京都杉並区)の一角に真新しい万灯が組み上げられた。白く光る灯明と桜を模した鮮やかな花々に、集まった会員は感嘆の声をもらす。この日、港教会が開催した「新万灯お披露目式」の一場面だ。

同教会が新万灯を建立するのは62年ぶり。旧万灯は本会の「お会式・一乗まつり」や地元の祭りなどで広く活躍したが、経年劣化で修理が困難となっていた。そのため、榎本好男教会長や壮年部員、支部長らが一昨年ごろから新万灯の建立を検討してきた。

お披露目式を控え、慎重に新万灯を組み立てる壮年たち

式典実行委員長の壮年部長(64)は「最初は正直、できるのか疑問だった」と語る。万灯づくりは時間と手間を要する上、先達の思いが代々受け継がれてきた万灯を大事に思う会員も多い。会議は平行線をたどり、一時は計画が暗礁に乗り上げた。

しかし昨春、教会発足65周年を機に、新万灯の建立を通して未来を担う信仰者を育成していきたいという機運が高まった。「佼成会で『衣がえ』の方針が出されたように、我々もこれまでの万灯に込められた思いを新しいものに継承したい。万灯に誰が(信仰の)芯を入れていくかを大切にしたいと思いました」と壮年部長は話す。

昨年7月に万灯の製作が始まると、支部長や主任が中心となり、手どりにまい進。多くの会員から万灯建立に役立ててほしいと真心の浄財が寄せられたほか、8月からは教会道場や各家庭で101日間の祈願供養が営まれ、一人ひとりが無事の完成を願い続けた。

万灯は、異体同心・報恩感謝・広宣流布の証しとして、『動く大聖堂』をテーマに製作された。大聖堂の意匠に倣って、ご本尊と四大菩薩、三菩薩の像を中心とした法華経の世界を表現したいと願い、株式会社丸彰の仏具職人たちが設計に尽力した。また、中心部には壮年部の手で、六波羅蜜(ろくはらみつ)の教えである「布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進・禅定・智慧(ちえ)」の書も納められた。

大聖堂の意匠に倣い、ご本尊と四大菩薩、三菩薩の像を中心に法華経の世界が表現された

お披露目式には、歴代教会長や本部職員、建立に携わった関係者らを含む115人が参集。昨年の「お会式・一乗まつり」で共に行進した鰍沢教会の会員も駆け付けた。万灯は昨年11月の教会発足周年記念式典で披露されていたが、柳と花が付いた形となるのはこの日が初めてだ。

万灯総責任者の壮年部員(72)が「本日をようやく迎えられることができました。行進させて頂いてこそ本当のお披露目。笑顔と喜びをもって歩きたい」と述べた後、お披露目行進が始まった。青年部員のマトイに続き、壮年部員が担ぐ新万灯が、大聖堂を仰ぎ見ながら普門エリアの北側通路を往復する。真剣な表情で足を踏みしめる担ぎ手を、「チョイヤサッサ!」とサンガ(教えの仲間)の声援が後押しし、最後は2回にわたる「追い込み」を実施。盛大な拍手とともに、30分間の行進は幕を下ろした。

若手壮年の一人として万灯を担いだ男性(52)は、「亡くなられた教会の先輩方にも喜んで頂けるよう、一生懸命に行進しました。万灯は“我(が)をとる修行”と教わっています。仏さまに全てをおまかせできる自分になるため、これからも毎年行進に参加したい」と決意を語った。