台北教会発足40周年記念式典 会員一人ひとりが思いやりを表現する大切さをかみしめ

台北教会発足40周年記念式典の席上、赤川国際伝道部長が教団を代表して庭野日鑛会長の祝辞を代読後、同教会の社会活動の拡大に賛辞を贈った

5月3日、台北教会の玄関や法座席に、色鮮やかな花の絵や、亀、猫などのオブジェが展示された。この日、教会発足40周年の記念式典が開かれた。式典は、同教会の簡秀芳教会長が理事を務める障がい者支援ボランティア団体「愛心基金会」と連携して行われ、自閉症などの障がいのある子どもたちが制作した展示物が、教会を訪れた会員たちを出迎えた。

式典の会場には、「愛心基金会」が支援する障がいのある子どもたちが制作した絵画などの展示物が置かれた

日本と同様に少子高齢化が深刻な社会問題となっている台湾では、福祉ボランティア団体が拡充しているが、そうした団体は金銭的なケアに留(とど)まることが多い。簡教会長は愛心基金会のスタッフと話し合い、障がいのある子どもたちやその親への心のケアを模索する中で、今回のコラボレーションを計画。「誰もが思いやりの心を持っています。40周年を機に、サンガの皆さんにも思いやりの心を表現してもらいたいと思いました」と簡教会長は語る。

『轉動愛與關懐法輪(愛と思いやりの法輪を転ずる)』をテーマに教会道場で行われた式典には、会員118人が参加。台北市内で飲食店を経営する沖縄・石垣島出身の黒島真洋さん(47)が体験説法に立ち、コロナ禍とその後の忙しさからうつ病を発症するも、教会に参拝する中で苦の原因に気づいた経験を発表。家族と過ごす時間を増やし、店の従業員との信頼関係の立て直しを誓った。

教団を代表して参加した赤川惠一国際伝道部長が、庭野日鑛会長の祝辞を代読した後、台北教会の社会活動の拡大に賛辞を贈った。来賓祝辞では、愛心基金会に加盟する台北市立文山特殊教育学校の葉宗青校長が、「教会の荘厳さと、釈尊が悟った真理を家庭や社会で実践する会員たちの姿に感銘を受けた」と述べた。次いで、教会内に展示された絵画やオブジェについて、同基金会に加盟する台湾天使芸術家博物館発展協会の黄詩芬理事長が、作者である子どもたちと共に登壇して紹介。歓声と拍手が鳴り響いた。

午後には二二八和平紀念公園にあるステージで、愛心基金会に加盟する障がい児支援団体などが音楽イベントを開催した

午後は、教会近くの二二八和平紀念公園露天音楽台広場のステージで、同基金会に加盟する障がい児支援団体などが音楽イベントを開催。ステージ脇に設置されたブースでは、長寿花(なでしこ)の鉢植えが配布された。この鉢植えは会場を訪れた一般市民に配られた。持ち帰った人が育てた花は、開花したら教会に奉納されるとともに、花を育てた過程での喜びを報告してもらう予定だ。

元同教会理事長の陳忠厚さん(74)=主任=は「愛心基金会の方々や障がいのある子どもたちの親は法華経を学んではいませんが、子どもたちを思う姿勢に、法華経の実践者だと感じました」と感慨深く語った。

ステージ脇のブースでは、長寿花の鉢植えが来場した市民に配られた