大聖堂で「成道会」 人々の心の平安願い、仏道を歩む決意新たに 庭野会長が法話(動画あり)

12月8日、大聖堂で行われた「成道会」で、法話に立った庭野会長は、釈尊がこの世の一切のものと一緒に成道したとの仏伝をひもときながら、「私たちも本来は、本質的には悟っている」と説明した。

仏教三大行事の一つであり、釈尊が悟りを開いた意義をかみしめ、報恩感謝の心で菩薩行実践の決意を新たにする「成道会」が12月8日、大聖堂はじめ各教会で挙行された。大聖堂には会員約1300人が参集。式典の模様は動画共有サイトを通してライブ配信(会員限定)された。

当日の様子(クリックして動画再生)

式典では冒頭、映像作品を上映し、釈尊が菩提樹下で真理を悟る様子が紹介された。続いて読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長が、庭野日鑛会長の「啓白文」を奏上した。この中で庭野会長は、釈尊が成道後、大衆の苦を救うために布教伝道の旅を続け、「一切衆生が智慧(ちえ)と慈悲に満ちた仏の境地にまで高まるようにと、ついに霊鷲山で法華経を説かれました」と明示。さらに、「開祖さまもまた、お釈迦さまの本懐経(ほんがいきょう)である法華経の精神を体(たい)して、立正佼成会を創立され、真理を布教伝道されました」と説き、仏教徒の使命として、人々の心が平安となるように願い、大乗菩薩道を歩んでいくことを決定(けつじょう)した。

この後、湘南教会支部長(73)が体験説法を行った。支部長は、幼い頃から胸の内を言葉にすることが不得手で、結婚後も夫に気持ちを伝えられず悩む日々が続いたが、夫との関係改善に努めるサンガとの触れ合いを通し、自分の気持ちを伝えることが相手を知るために大切だと気づいた体験を述懐。「夫と仲良くしたい」という本心に立ち返って、自らの思いを言葉にするよう努めて会話を重ねたことで、自分のことを理解したいと願う夫の優しさに気づき、感謝できた体験を語った。

また、現在は、支部長として、主任たちとの対話を通して自らの心の中に湧いた感情と向き合い、自身の心の“現在地”を確認しながら相手の心に寄り添い、気持ちを伝え合う関係づくりに励んでいると報告。多くの人に教えによって救われた喜びを味わってもらえるよう、今後も感謝の心で布教に歩くと誓った。

法話に立った庭野会長は、「我(われ)と大地有情(うじょう)と 同時に成道す」という仏伝に言及。釈尊がこの世の一切のものと一緒に成道したとの意味合いから、「私たちも本来は、本質的には悟っている」と説明した。

また、「自未得度先度他(じみとくどせんどた)」という道元禅師の言葉を紹介し、自分より先に他の人々が悟り、救われることを願うのが本当の菩提心であり、その心は誰もが持ち合わせていると説示。「私たちは、そうした菩提心を起こして人さまのお導きをし、仏道を歩んで頂く、そういう布教活動をしている」と語った。

さらに、小林正観氏の著書から、「本当の感謝というのは、何事もない、普通のことが有り難いと思えることです。(中略)いつも当たり前だと思ってやっていることは、実は当たり前のことではありません。そのことに気がつくと、すべてに感謝できるようになります」との一節を引用。自分の足元をよく見つめて感謝することが大事とした上で、「仏さまの教えを尊んで、多くの方々の悩みが少なくなるよう、お互いさまに布教させて頂きたい」と述べた。