学林大樹59期生、学林光澍大学科生が研究発表会

青梅練成道場で学林大樹59期生の「卒林研究発表会」が行われた(写真提供=学林大樹グループ)

立正佼成会の学林大樹(本科)59期生による「卒林研究発表会」が11月5日、青梅練成道場(東京・青梅市)で、また、同10日には、「学林光澍大学科専門研究発表会」が普門メディアセンター(東京・杉並区)でそれぞれ開催された。両発表会は、オンラインを併用したハイブリッド形式で行われた。

「卒林研究発表会」には、熊野隆規理事長はじめ本部職員ら45人が出席。卒林を控えた59期生3人が発表に立った。

この中で糸谷依巳里さん(25)=鈴鹿教会=は、『変容型シティズンシップと日本の未来~法華経精神に基づく立正佼成会布教拠点の役割に関する一考察~』をテーマに発表した。糸谷さんは、日本国内における在留外国人の大幅な増加に着目し、多文化共生社会の実現に向けた「変容型シティズンシップ」の考え方を詳述。現代では、多様な背景を持つ人々の文化を尊重し、社会に融合させることで豊かな国を創造していくというシティズンシップ(市民性)意識を各人が持つことが重要と語った。また、人権侵害や不平等、社会的不正義などに対し、外国人を含めた市民が変革のための行動を起こす教育の推進が求められると強調した。こうした考え方は、全ての人は仏と同じ尊い存在であり、互いに認め合い、支え合う対象であるという法華経の「一乗」の精神と一致するとも語った。

さらに、自身が水戸教会での布教実習中、外国人に安心できる場を提供しようと、近隣の日本語学校に働きかけ、教会道場でカフェとバザーを催した経緯を説明。在留外国人がさらに増加する未来を見据え、国内の布教拠点を、マイノリティー(少数派)を含めた全ての人に開かれた“地域コミュニティー”として活用する案を示し、「多様性社会の中で全てのいのちが輝くために、宗教者としての役割を探求し続けていきます」と抱負を述べた。

各発表に対し、島薗進・東京大学名誉教授、ジェームズ・リンチ本会ニューヨーク教会長、松井ケティ清泉女子大学特任教授がそれぞれオンラインでコメントした。

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