「開祖さま生誕会」庭野会長が法話 受け継いだ信仰のバトンを次世代へ(動画あり)
立正佼成会を創立した庭野日敬開祖の生誕を祝うとともに、その遺徳を偲(しの)び、世界平和の実現に向けて菩薩行実践の誓いを新たにする「開祖さま生誕会」が11月15日、大聖堂(東京・杉並区)をはじめ全国の教会で開催された。この日、大聖堂には会員約1500人が参列。当日の様子はインターネットでライブ配信(会員限定)された。
式典では、東京佼成ウインドオーケストラと佼成合唱団による奉献曲「みこころに生きる」の調べに合わせ、全国の青年女子部員20人が奉献の儀を行った。庭野光祥次代会長を導師に読経供養が厳修され、庭野日鑛会長が聖壇上で「啓白文」を奏上した。
仏讃歌の斉唱に続いて会場が暗転。庭野開祖の写真がスクリーンに映され、法華経の「自分が変われば相手が変わる」という「縁起の教え」に触れ、「常に自分が幸福であるという考えで、感謝のできる気持ちになっておりますれば、その人は幸せの生活でございます。どうか、真剣に感謝すること、喜ぶこと、そしてお幸せになって頂きますように、皆さま方のご多幸を、くれぐれも衷心から私はお祈りを申し上げる次第でございます」との法話が流された。
この後、足立教会青年男子部長(34)が体験説法を行った。心身のバランスを崩した母親との向き合い方に悩み、優しくできない自分を否定していたが、当時の教会長に素直な気持ちを打ち明けた時、温かく受けとめてもらう中で、今の苦しみは、母親を思いやるからこそ感じると気づいた体験を披歴。母親と距離を置きたいという感情も含めて“ありのままの自分”と受けとめられ、つらいときには無理をせず、心が落ち着いた後に再び関わることを続けるうち、母親を受け入れられるようになれたと報告した。
また、自身も子育てを経験する中で、いのちの尊さや、両親が子どもの幸せを一心に願い、深い愛情を注いで育ててくれたことに気づけたと語り、信仰を継承してくれた両親に感謝を伝えた。
法話に立った庭野会長は、「孝」という字は先輩や長者の意味を持つ「老冠(おいかんむり)」に「子」と書くと説明し、親への孝行だけでなく、佼成会の信仰をつないでくれた先輩を敬い、教えを受け継いだ後輩として次世代にバトンを渡すとの深い意味があると説示。教団創立100年に向けて、菩薩行を実践する大きな意義が込められているとも受けとめられると述べた。
さらに、今日(こんにち)の日本があるのは、仏教などを徹底して学び、教養を深めて人格を磨いた先人の存在と、その姿を見て継承した後輩がいたからと話し、「そうした大事な役割が私たちにはあるということをお互いさまに心に留めさせて頂きたい」と語りかけた。
また、千手観音が千の手を持つのは、無数の衆生を救おうとする大きな願いの表れであるとし、「千手観音さまのような精神を頂いて、しっかりと精進をさせて頂く。後輩に信仰を伝えさせて頂く私たちでありたい」と話した。