「大学生の翼」一行がフィリピンへ

一行はNGOガワド・カリンガの施設で現地の子どもたちと触れ合い、ダンスや折り紙などで遊んだ(写真は全て青年ネットワークグループが提供)

立正佼成会の令和6年次「大学生の翼」(青年ネットワークグループ主管、団長=庭野嘉照習学部次長)の一行17人が9月11日から17日まで、フィリピンを訪れた。

大学生が指の上でボールを回すと、現地の子どもたちは笑顔を見せた

1975年、日本軍が強要して多くの捕虜の命を奪った「死の行進」で知られるバターン州に、日比友好のシンボルとしてフレンドシップタワーが建立された。来年はその建立から50周年の節目を迎える。今回の渡航は、慰霊供養やバターンキリスト教青年会(BCYCC)とのさらなる交流を目的に開催。また、太平洋戦争で激戦地となった“過去”と、経済格差が広がる“今”を同時に学び、平和とは何かを模索することも狙いの一つだ。

一行は12日、NGOガワド・カリンガの受け入れのもと、マニラ市トンド地区のスラム街を訪問。炊き出しなどのボランティア活動に取り組んだ。ある大学生は、少女に声をかけられ、水道と電気が通っていないベニヤ板の家に招かれた。少女からチョコレートをもらった時、厳しい生活を送りながらも相手を思う少女の優しさに感動したという。

16日には、NGOパンガラップ・ファウンデーションを訪問し、ストリートチルドレンや不登校の青少年たちの現状、支援活動について話を聞いた。

また、一行は滞在中、本会一食(いちじき)平和基金が支援するBCY財団の奨学生との交流や、フレンドシップタワー、モンテンルパ日本人墓地での慰霊供養を行った。

流れ着いたごみが散乱する川岸に家が建てられ、子どもたちが生活している

参加者の一人である男子大学生(21)=八戸教会=は「高層ビルの近くにスラム街があったり、スラム街の見学後に裕福なホームステイ先の方と触れ合ったりと、経済格差を目の当たりにして驚きました。また、一食平和基金の支援がフィリピンの奨学生に役立てられていることを知り、自分も『一食を捧げる運動』の実践に取り組むとともに、その輪をさらに広げていきたいと思いました」と語った。