「開祖さま入寂会」で庭野会長が法話 仏性を自覚し、希望を持って修行精進を(動画あり)

立正佼成会を創立した庭野日敬開祖は、1999(平成11)年に92歳で入寂(にゅうじゃく)した。庭野開祖に出会えた感謝と喜びをかみしめ、世界平和への道を歩む決意を新たにする「開祖さま入寂会」が10月4日、大聖堂(東京・杉並区)と全国各教会で挙行された。大聖堂には、会員約1300人が参集した。

当日の様子(クリックして動画再生)

式典に先立ち、庭野開祖の「お舎利」が奉安される一乗宝塔で、庭野日鑛会長による「開扉(かいひ)の儀」が行われた。庭野会長、庭野光祥次代会長、熊野隆規理事長の献花後、庭野会長が「お言葉」に立った。庭野会長は、“宇宙船地球号”の乗組員として、自分の役を通して菩薩行に精進することを、庭野開祖は一番喜ぶのではないかと語った。女性会員(71)=旭川教会=は、「開祖さまにお会いしたくて、6年ぶりに参拝しました」と目を潤ませた。

大聖堂での式典は、佼成箏曲部の序奏で開幕。全国の青年女子部員代表20人による奉献の儀に続き、「開祖さまとの対話」の時間が設けられた。次いで、読経供養が行われ、導師の光祥次代会長が庭野会長の「報恩讃歎(さんだん)文」を奏上した。

その後、青年男子部長(34)=長岡教会=が体験説法を行った。男子部長は、育ての親である伯父が心身のバランスを崩して以来、会話を避け、誰にも心の内を打ち明けられずにいたが、子どもの頃から優しく触れ合ってくれた主任や支部長らのおかげで、「一人ではない」との安心感を得られたと述懐。ご本尊の継承勧請などを行い、先祖が命をつないでくれたことを知って温かな気持ちになり、疎遠だった実父も一生懸命に生きようとしていたと思えたと語った。さらに、幼少時に実母に笑顔で抱かれる写真を見つけ、愛されていたことを実感できたと明かした。

また、自分の心を見つめ直す中で伯父への感謝が芽生え、少しずつ言葉を交わせるようになった喜びを発表。現在、本当の自分のいのちを輝かせてほしいと願って、以前の自分と心情が重なる親友の男子部員と触れ合っており、庭野開祖が「大丈夫! 迷わず、この道を行きなさい」と背中を押してくれていると感じながら、青年部の仲間と共に教えを伝えていくと誓った。

法話に立った庭野会長は、冒頭、中国の古典を引用し、人間は日々、体も心も新たに生まれ変わっていくと説明。本来、仏性が具(そな)わっていることを自覚して、仏の教えに基づき、希望を持って元気に生きていくことが修行であり、「人さまのためになる人間として成長していくことが、私たちの精進である」と述べた。

さらに、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の一節を紹介。神仏や偉人を敬うことがあるが、仏性を具えている自分を敬ってこそ、人を敬うことができると語った。

また、「救われて有り難い」と言うが、普段の生活そのものが有り難いと実感できることが大切で、世のため、人のためを思い、みんなが喜んで、平和な心を持って、戦争が減っていくような役割を果たさなければならないと結んだ。

熊本教会の壮年部員(71)は妻(67)と共に参拝。「病を乗り越えて今がありますが、支えてくれた家族に感謝し、明るい家庭が、明るい教会、社会をつくると信じ、次世代に教えを伝えていきたい」と笑顔で語った。