WCRP日本委「第49回理事会」 「平和のためのAI倫理」国際会合などを報告

理事会の冒頭、参加者は平和の祈りを捧げた(「Zoom」の画面)

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「第49回理事会」が9月10日、京都市の龍谷大学大宮キャンパスで開催された。戸松義晴理事長(浄土宗心光院住職)はじめ理事19人が出席(オンライン参加者含む)。立正佼成会から、同日本委理事の庭野光祥次代会長、和田惠久巳総務部長、國富敬二徳島教会長が参加した。

理事会では、「日本委員会人事」「能登半島地震への対応」など七つの議案を審議し、全ての事項が承認された。

この中で、7月9、10の両日に広島市で開催された国際会合「平和のためのAI倫理:ローマからの呼びかけにコミットする世界の宗教」に関して、13カ国から諸宗教者、政治家、グローバルハイテク企業の代表者ら150人が参加したと報告。人間の尊厳を守り、人類と地球の持続可能な発展のために、AI(人工知能)の開発、運用について六つの原則を呼びかける「AI倫理のためのローマからの呼びかけ」への署名や、AIが人類の福祉だけに使用され、生命を脅かさないことを要請する「広島アピール」が全会一致で採択されたことが確認された。

同会合に参加した光祥次代会長は、「人間の弱さと向き合うことの多い私たち宗教者が、この時期に、AIという新しいツールの倫理について関心を示し、集い、話し合えたことに大きな意義を感じました」と発言。膨大なデータを集積して示すAIを使いながらも、身体を持つ人間が六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)を失わずにいられるかを考えさせられたと述べた。

また、WCRP/RfP日本委の運営および活動の見直し、2025年に同会合のフォローアップや第3回東京円卓会議などを実施することが共有された。報告事項では、26年に開催予定であるアジア宗教者平和会議(ACRP)第10回大会に向けた進捗(しんちょく)などが説明された。