大聖堂で「盂蘭盆会」 庭野会長が法話 老年になっても学ぶことの重要性を説く(動画あり)

法話に立った庭野会長は、老年になっても、心の中が明るく冴えるような学びを一日一日、身命をかけて学んでいきたいと語った

先祖の御霊(みたま)を迎え、回向供養を通して、一人ひとりが受け継いだいのちの尊さをかみしめて菩薩行実践の誓いを新たにする立正佼成会の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が7月15日、大聖堂と全国各教会で厳修された。大聖堂(東京・杉並区)には会員約1600人が参集。式典の模様はオンライン配信(会員限定)された。

当日は、先祖に思いを馳(は)せて、受け継いだ自身のいのちに感謝を深めるナレーションプログラム「盂蘭盆会」が配信された。続いて読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長と本部職員らが、新仏(にいぼとけ)および一般合わせた約2万6000体の戒名を奉読。庭野日鑛会長の「回向文」を光祥次代会長が奏上し、焼香した。

当日の様子(クリックして動画再生)

体験説法に立った松山教会の支部長(50)は、高校2年生の娘が発熱し、2カ月にわたり熱が下がらず、胸がつぶれる日々を送った当時を述懐。松本光代教会長から娘と過ごす大切な時間ではないかと投げかけられ、素直に湧いてくる温かな心を伝える大切さを教わった支部長は、その夜、心の内を家族に打ち明けたと話した。その中で家族と共に過ごせることに感謝が湧き、心が通じ合えた喜びを語った。

また、学生時代に離別して以来、苦手意識を感じていた生みの母親と19年ぶりに再会したことを振り返り、小さくなった母親の姿を見て、心から愛(いと)おしく思う気持ちに気づくことができたと発表。庭野会長の「自分の内なる仏と向き合い、その声に耳を澄ませばよりよく生きる心がととのっていく」との言葉を胸に、精進していくことを誓った。

この後、庭野会長が登壇して焼香し、法話を述べた。庭野会長は、中国・南宋時代の官吏である朱新仲(しゅしんちゅう)が示した人生訓「五計」の4番目に当たる「老計」(いかに年を重ねるか)について触れながら、江戸時代の儒学者である佐藤一斎が『言志晩録』に記した「少(わか)くして学べば壮にして為(な)すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず」という言葉を紹介。老年になっても、心の中が明るく冴(さ)えるような学びを一日一日、身命をかけて学んでいきたいと語った。

また、「人間は、良心、霊性という神秘的なものを頂いている」と示し、科学技術が発展して、日々の生活が便利になってもそれに頼り過ぎず、身心が健康になるよう人間力を高めながら精進を続け、「後世の人たちに役立つものを残していきたい」との言葉で締めくくった。