諸宗教の集い参加者らがローマ教皇フランシスコに謁見

6月3日、バチカンを訪れた光祥次代会長はクレメンティーナ・ホールで教皇フランシスコに謁見した(バチカンメディア提供)

フォコラーレ運動主催による「諸宗教の集い」に参加した立正佼成会の庭野光祥次代会長は6月3日、バチカンを訪れ、同集いの参加者と共にローマ教皇フランシスコとの特別謁見(えっけん)に臨んだ。本会の青年部員、学林生ら11人が同行した。

席上、スピーチに立った教皇は、同運動のマーガレット・カラム現会長がイスラエル・ハイファ出身のパレスチナ系イスラエル人であることを念頭に、「今、苦しんでいる、あなたの故国のために祈っています」と発言。イスラエル人とパレスチナ人への連帯を表してカラム会長を励ました。

また、同運動を創始したキアラ・ルービック師の功績に触れ、「一致の霊性を分かち合うキリスト教以外の諸宗教の信徒たちとの歩み」は「革命的で、カトリック教会にとっても、非常に良かった」と評価。同運動と他宗教との歩みが、三位一体(神は父と子と聖霊の三つの位格からなるというキリスト教の教え)の「(父と子の間における愛の交流である)聖霊によって動かされ、キリストの心、愛の渇望、分かち合い、友愛に根を張る」と力を込めた。

その上で、「聖霊が対話と出会いの道を開く、その効果に驚かされる」とし、50年以上前、アルジェリアのムスリム(イスラーム教徒)による共同体がフォコラーレ運動に参加したことを紹介。その後も仏教、イスラーム、ヒンドゥー教、ユダヤ教、シーク教といった諸宗教の指導者と出会い続けたキアラ師について、「今日の集いに皆さんが出席していることが、彼女の歩みを証している」と語った。

さらに、諸宗教との対話と出会いの基盤が、「相互愛、傾聴、信頼、受け入れ、他者との相互理解によって実現されていく神の愛の体験」にあると促す教皇は、その「愛の体験」が「貧者の叫びへの対応、創造(自然)へのケア、平和の構築を目的とする友情と協力へと発展していかなければならない」と言明。諸宗教者が共に歩み、「対話の領域を超え、皆が兄弟姉妹と感じ、多様性の中における調和を尊重しながら、一つになっていく世界が到来する夢を分かち合っている」と呼びかけた。また、さまざまな紛争や対立の扇動に宗教が使われる時代の中、諸宗教対話が「世界平和構築のための必要条件であり、キリスト教徒や他宗教の共同体にとっての義務」と述べた。