高岡教会 周年記念を機縁に会員綱領に親しむ
立正佼成会高岡教会は今年、教会発足60周年を迎えた。これを記念して、昨年5月、会員綱領の成り立ちや要点、文言の解説をまとめた冊子『開祖さまの願い 私の願い「会員綱領」』を発刊し、会員に配布した。荒川公男教会長は冊子について、「開祖さま(庭野日敬開祖)が会員綱領に込めた思いを改めてかみしめ、皆が開祖さまのお心を自分の言葉で表現できるようになれたらと願っています」と話す。
教会道場や布教拠点では、冊子を活用した学び合いが広がっている。会員たちは毎朝の読経供養後、会員綱領を八つに分けて解説した「要点」を日替わりで唱和し、学びや気づきを発表する。
ある主任は、夫を亡くして何も手につかない中、冊子にある「仏性とは、人を思う慈しみの心(慈)、人の悲しみをともに悲しむ心(悲)、(中略)この仏性を磨きあげていくのが本会の信仰の目的」との一節を通じ、かつて同じ境遇にあった同僚の悲しみに目を向けることができたエピソードを発表した。これを受け、担当の支部長は、この主任が抱えていた深い悲しみに目を向けられずにいたことを懴悔(さんげ)。その上で、「普段から、仏さまのメッセージに耳を傾け、心の感度を高め、目の前の人の悩みや苦しみを受けとめることが、会員綱領に示された“本仏釈尊に帰依”することなのだと学ぶ出来事でした」と話す。
一方、会員綱領の内容を盛り込んだ寸劇を企画したり、会員綱領の一節から法座に臨む心構えを定めたりするなど、会員綱領を日々の生活でフル活用していると話すのは、A支部長(63)だ。「何のために修行をしているのかと考えを巡らせると必ず、会員綱領の『本質的な救われ』の一節に行き着きます。これを認識し、多くの人々を導くためにはまず、『自己の練成』が大事になると感じます。唱和するたびに背筋が伸びる思いです」と声を弾ませた。
同教会は今年一年を周年記念の年と定め、会員綱領に親しみ、各自が生活の指針とするための取り組みを続ける予定だ。