バチカン諸宗教対話評議会名誉議長のフィッツジェラルド枢機卿が来会 庭野会長と懇談(動画あり)
バチカン諸宗教対話評議会名誉議長のマイケル・ルイス・フィッツジェラルド枢機卿が4月29日、立正佼成会本部(東京・杉並区)を訪れ、庭野日鑛会長と面会した。真命山諸宗教対話交流センター副院長でマリア布教修道女会のマリア・デ・ジョルジ師が同行。本会から、ローマの教皇庁立グレゴリアン大学に留学経験のある庭野統弘主席、川本貢市東京教区長(杉並教会長)をはじめ、和田惠久巳総務部長らが同席した。
フィッツジェラルド枢機卿は1961年、アフリカの宣教を目的とした宣教会(ホワイト・ファーザーズ)の司祭に叙階される。教皇庁アラブ・イスラーム研究所やウガンダのマケレレ大学で教壇に立った後、スーダンのハルツーム大司教区で宣教活動に従事した経験を持つ。87年に、バチカン諸宗教対話評議会の前身「非キリスト教徒のための事務局」の次官に任命され、同評議会に名称が変更された後も、長年にわたって諸宗教との対話の任務を担い、多大な功績を残してきた。2018年からは母国イギリスのリバプールに移り、地域の中で他宗教との対話交流に尽力する。2019年には、ローマ教皇フランシスコにより枢機卿に叙任され、サンタ・マリア・イン・ポルティコ教会助祭枢機卿となる。
本会との縁は、1990年に世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)創設20周年記念式典出席のために来日した際、庭野日敬開祖と懇談したのが始まり。その後もさまざまな諸宗教対話の場で交流を重ねてきた。フィッツジェラルド枢機卿らの尽力により、1994年にローマで開催されたWCRP/RfPの第6回世界大会(開会式)への教皇ヨハネ・パウロ二世の出席が実現した。
懇談では、フィッツジェラルド枢機卿が本会を初めて訪れた時のことや、第6回世界大会での思い出を吐露。開会式に出席した教皇ヨハネ・パウロ二世が、その後の予定があるのを承知の上で、「席を立たれずに会議への参加を望まれたことを覚えている」と振り返り、「非常に素晴らしい大会でした」と語った。
また、現教皇も諸宗教との対話や関係性を大切にしていると話し、「立正佼成会の皆さんも諸宗教対話を続けられているので、うれしいです」と投げかけた。
このほか、コロナ禍によって社会生活にさまざまな変化が生じたことが話題に上った。フィッツジェラルド枢機卿は、バチカンでも各種の活動が対面からオンラインに切り替わったと報告。これに対して庭野会長も、コロナ禍による自粛中、式典のオンライン配信のために参拝者のいない大聖堂で法話に立っていた時期があったと述懐し、「今年に入ってようやくにぎわいが戻ってきました」と喜んだ。
最後に、フィッツジェラルド枢機卿からの「いつまでも健やかにお役を果たされることを念じています」との励ましの言葉に、庭野会長も「今日はお会いできてうれしかったです。これからもお元気でご活躍ください」と返礼した。