佼成病院で「閉院式」 72年の歴史に区切り(動画あり)

最後に、佼成病院の歩みを振り返る映像作品を上映。出席者は懐かしの場面に顔をほころばせた

立正佼成会附属佼成病院(東京・杉並区)の閉院式が3月19日、同病院観音ホールで行われた。市村正一院長はじめ副院長、各診療科の部長ら関係者約60人が参集。本会から熊野隆規理事長、橋本雅史常務理事、川本貢市理事(東京教区長、杉並教会長)、榎本光良時務部長が出席した。

当日の様子(クリックして動画再生)

閉院式の中で、本会を代表してあいさつを行った熊野理事長は、同病院の開院から72年を振り返り、受診に訪れた患者や、共に歩んできた職員に対して謝意を表した。その上で、佼成病院から杏林大学医学部付属杉並病院に引き継がれても、「病やけがに苦しむ人々を救い、再び健康を取り戻せるよう尽くすという、医療施設としての本質的な目的に変わりはありません」と言明。また、「“専門的な知識や技術にすぐれているだけでなく、立派な人格を備え、社会に貢献できる良き職業人の育成”を使命とされている杏林大学さんには、わずかな不安すらなく、安心してこの病院を託せます」と語った。

熊野理事長

次いであいさつに立った市村院長は、病院の歴史を踏まえ、特に、コロナ禍の中、全国の会員から同病院に医療用マスクや応援のメッセージが寄せられたことに対し、「医療従事者として、この場をお借りして全国の会員の皆さまに御礼申し上げます」と感謝の思いを伝えた。また、医療を取り巻く現状に触れ、今後も地域医療の中核を担う急性期病院としての使命を果たしていくとの決意を表明した。

さらに、庭野日敬開祖が示した佼成病院の理念「真観(正しくみて、正しく手当てする)」は、「医療における最もシンプルで基本的な考え方」であると強調。この理念に込められた精神、そして、佼成病院の持ち味である「患者さんにやさしい医療」を継承し、地域の人々に信頼され続けることが、「立正佼成会の会員の皆さまのこれまでの協力に報いること」と語り、より一層高度な医療の提供に努めると述べた。

市村院長

この後、『立正佼成会附属佼成病院の歴史』と題した映像作品が上映され、同病院の沿革を振り返った。

閉院式に先立つ14日午後には、同病院のビハーラ病棟と霊安室に安置されていたご本尊を降納するセレモニーが行われた。病院のスタッフが見守る中、橋本常務理事が導師、川本理事と榎本部長が脇導師をつとめて読経供養を行い、感謝の祈りを捧げた。