WCRP国際委と日本委、UNAOC共催「第2回東京平和円卓会議」 紛争地の宗教者らが集い、和解に向け対話(動画あり)

セッションでは、各地域の課題や、宗教者の活動が紹介された

この後、3日間にわたる会議では、二つのセッションとグループ討議などが行われた。

このうち、『諸宗教・各界による赦(ゆる)しと和解に向けたアプローチ』と題するセッションⅡでは、4地域委員会の代表者がスピーチした。

カゲマWCRP/RfP国際委事務総長は、アフリカ宗教指導者評議会の立場から発言。アフリカでの紛争の要因の一つとして、植民地時代に民族分布などを無視して国境を定めたことが挙げられると説明し、異なる信仰や文化、民族性など、多様な背景を持つ人々を一国にまとめたことで対立が生じ、国家の基盤が安定せずにさまざまな問題が起きていると指摘した。こうした課題の解決には公正で中立な諸宗教の団結が不可欠と述べ、同評議会として和解と癒やしのプロセスを進めていると語った。

篠原ACRP事務総長

また、アジア宗教者平和会議(ACRP)の篠原祥哲事務総長は、ACRPが取り組む「フラッグシップ・プロジェクト(重点実施事業)」に触れ、このうちの「平和構築と和解」の取り組みを詳述。ワークショップや研修、交流会を通じた紛争予防をはじめ、紛争地域への平和使節団の派遣、紛争当事者間の対話の場の提供、紛争で傷ついた人々を癒やすための心理的サポートなどの活動を紹介し、相互理解と信頼醸成に努めていると語った。

21日の閉会式では、平和の祈りに続き、同会議の議論を踏まえ、出席者全員の合意によって採択された声明文をアダマキス府主教が発表した。声明文では、世界各地の紛争により多くの人々が想像を絶する苦しみを強いられていることに深い憂慮の念を表明。戦争と暴力は、生命の神聖さと人間の尊厳を守るという聖なる原則に反すると指摘し、「戦争と暴力を強く非難します」と示した。

その上で、諸宗教による共同の取り組みとして、戦争や紛争で引き裂かれたコミュニティーへの人道支援や同会議の継続実施など六つの行動を掲げた。

第2回東京平和円卓会議の閉会式で、光祥次代会長が閉会のあいさつを述べた

この後、閉会のあいさつを行った光祥次代会長は、1976年にシンガポールで開催されたACRPの第1回大会中に、ベトナム戦争によって自国から逃れた人々が「ボートピープル」として海を漂流しているとの知らせを受け、大会に参加していた祖父の庭野日敬開祖ら諸宗教指導者たちが、いち早く救援活動に取り組んだ出来事を紹介。その行動の源には、誰もが地球という同じ乗り物に乗る運命共同体であり、互いに理解し、協力しなければならないという仏教精神があったと語り、庭野開祖の姿を通じ、「宗教者が本気で行動することで社会を動かし、世界が対立から平和へと動き出すのだと今も信じている」と話した。

カゲマ博士インタビュー

その上で、採択された声明文は単なる言葉ではなく、その行間には、3日間の円卓会議で共に感じ合った宗教者たちの平和への願いが込められていると表明し、「これからもRfPのグローバルファミリーが皆さまと共に、この困難な道を、手を携え、諦めずに歩いていくことをお約束したい」と述べた。

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