「教皇がCOP28に参加」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
教皇がCOP28に参加
ローマ教皇フランシスコは11月1日、イタリア国営テレビ(RAI)が放映したインタビュー番組の中で、「12月1日から3日までアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、『第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議』(COP28)に参加する意向」を表明していた。バチカン報道官のマテオ・ブルーニ氏は3日、「教皇は、UAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領から招待を受け、COP28に参加するため1日から3日までドバイを訪問する」と正式に公表した。
教皇は2021年、スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26にも参加予定で、スピーチを草稿し、同国のカトリック司教会議も教皇の参加を発表していた。しかし、結腸手術後の体調と過密なスケジュールを考慮して中止とした経緯があった。今回、COP議長府は、バチカン、ムスリム長老評議会、国連環境計画(UNEP)と協力し、COP28のプロセスに諸宗教組織を参画させる包括的な政策を策定。教皇の参加もその一環とされる。
また、11月6、7日には、首都のアブダビで『良心の合流点会議』と題する、諸宗教者の気候変動に関する国際会議を開催。「数百人の諸宗教指導者、学者、科学者が一堂に会し、パリ協定(COP21/2015年)の実施状況を確認するとともに、合意された目標を達成するための集合的な成果を評価しながら、各国の貢献をパリ協定の包括的な目標と結び付け、気候変動への意識を高める(Global Stocktake/GST)ことを模索し、COP28への提言文を採択する」を目的としている。
また、COP28の開催中、初めての試みとなる「信仰パビリオン」が開設される。ここでは、諸宗教指導者、科学者、政治指導者などによるパネルディスカッション、青年諸宗教指導者、先住民の代表者を巻き込んだ世代間対話を奨励するためのイニシアチブが展開される予定だ。
教皇は10月4日(アッシジの聖フランシスコの祝日)、自身が2015年に公布した環境回勅『ラウダート・シ』を現在の世界状況に適応させていくための使徒勧告書簡『ラウダーテ・デウム』を公布した。諸宗教指導者の間では、その内容が吟味されることが予想されている。