東京西支教区「地域共助ネットワーク 2023年地域共助の日」 近隣サンガとつながり、防災意識高め合う
東京23区内にある立正佼成会の教会では、所属会員が包括地域外に住んでいる場合が少なくない。自然災害など不測の事態に備え、所属に関係なく地元の教会や会員とつながる関係を築こうと、東京西支教区は10月1日、「地域共助ネットワーク 2023年地域共助の日」を実施した。同支教区の14教会は教会の枠を越えたサンガ(教えの仲間)同士の新たな“法縁”を結ぶ取り組みを進めている。
東京西支教区では現在、会員の5割以上が所属教会の包括区外に居住する。そのため、首都直下地震などの災害発生時、同じ教会の会員による対面での安否確認は困難と想定される。旧東京中央支教区はこうした実情を踏まえ、7年前から所属教会の枠を越え隣近所に住む会員同士がネットワークを築くことで、大規模災害時に連携して助け合う体制づくりに着手。支教区の改編後も取り組みを継続してきた。
今年は、約120人がそれぞれ居住する地域の教会道場に足を運び、「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典に参列した。板橋教会には杉並、中野、練馬、目黒、豊島教会の所属で板橋区内在住の会員12人が参拝。式典後にフリートーク形式で開かれた支部法座では、自身が住む地域を受け持つ支部に入り、地元の会員らと信仰歴、趣味、近況などを語り合い、親睦を深めた。
参加者で、板橋区に住んで50年という中野教会支部渉外部長(71)は「板橋教会の壮年部員さんと知り合えて、とても心強く思います。地域貢献に関心があり、皆さんと一緒に地元のためにできることを探したい」と語る。
10年前に同区に転居してきた杉並教会主任(62)は「今日の法座で、わが家の正面が会員さんのお宅と分かり驚くとともに安心しました。何かあった時、すぐに助け合えるのは隣近所だからこそ」と感想を話した。
受け入れにあたった板橋教会の前田貴史教会長は、今後の課題について「在住地域ごとに仲間づくりを行い、防災意識を高めることは災害への備えとして、とても重要です。近い将来、東京東、多摩両支教区をはじめ神奈川、埼玉、千葉の3県を含めた東京近郊の教会にまで地域共助ネットワークを広げたい」と話している。