大聖堂で ウクライナのアニメ映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』の特別上映会

大聖堂4階ホールで上映会を実施。会員約500人が参加した

ウクライナのアニメーションスタジオAnimagradが制作した映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』が9月22日から日本で初公開されるのに先立ち、18日に立正佼成会の大聖堂(東京・杉並区)で特別上映会が行われた。当日は、在日ウクライナ大使館のセルギー・コルスンスキー特命全権大使、ユリヤ・ザモルスカ2等書記官、インナ・イリーナ3等書記官、レーシャ・トカル支援物資コーディネーター、同映画の配給元Elles Films(エルフィルムズ)の粉川なつみ代表取締役が本会本部を訪れた。東京教区の青年部員、一般会員ら約500人が映画を鑑賞した。

今夏、東京を中心に全6支教区の小中学生らが、ロシア軍の侵攻で厳しい状況に置かれるウクライナの子供たちのために学用品を詰めたバッグ約3200個を製作した。バッグは車いすなどの支援物資とともにコンテナに積まれ、7月17日にウクライナに向けて発送された。その取り組みに関する合意書に署名するため、同20日、コルスンスキー特命全権大使らが本会本部を訪問。國富敬二理事長と面会した。懇談の席上、ウクライナのアニメーション映画が日本で初めて上映されるという話題が上がり、バッグを作った子供たちにもぜひ見てほしいとのコルスンスキー特命全権大使の願いを受け、大聖堂での特別上映会が決定した。

懇談では、ウクライナの現状などが語られた

当日、本会を訪れたコルスンスキー特命全権大使らは、大聖堂食堂で東京西支教区の中高生らと交流。その後、大聖堂6階応接室で國富理事長、和田惠久巳総務部部長、千葉和男東京教区長、齋藤高市東京西支教区長と懇談した。佐原透修総務部次長(渉外グループ)、萩原透公練馬教会長らが同席した。

懇談では、今も軍事侵攻が続くウクライナの現状や越冬支援の様子などが報告された。コルスンスキー特命全権大使は「争いが問題解決の方法にはならないことを、ウクライナの状況を伝えることで国際社会に働きかけていきたい」と語った。

4階ホールで行われた特別上映会では、冒頭、エルフィルムズの粉川氏が登壇した。2022年2月のウクライナ侵攻を受け、自分にできることはないかと模索したという粉川氏は、当時勤めていた会社を辞め、日本でウクライナのアニメーション映画を上映するため、自ら映画配給会社を設立した経緯を紹介。日本語吹き替え版を制作するために始めたクラウドファンディングで全国からたくさんの支援が集まり、日本での公開が実現したと振り返った。「ウクライナに思いを寄せる立正佼成会の皆さんに、公開に先駆けて映画を届けられてうれしいです。今日は楽しんでください」と語った。

次いで、コルスンスキー特命全権大使があいさつに立ち、「ウクライナの人々は平和好きで心の温かい人ばかりです。この映画を通して、そんなウクライナの“愛”がきっと伝わるはずです。皆さんの支援を頂き、ウクライナだけでなく世界中が平和になると確信しています」と呼びかけた。

この後、『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』が上映された。映画は、騎士になることを夢見る売れない役者の青年と、自由を夢見る王女がひょんなことから恋に落ち、二人が悪の魔法使いに立ち向かう姿を描いたファンタジー・ラブストーリー。参加者は、ウクライナの誇るアニメーション技術によって描かれた愛の物語を堪能した。

最後にあいさつに立った千葉和男東京教区長は、「人を愛する大切さは世界共通のものだと教えて頂きました。今日の味わいを、ぜひ家族の中でかみしめてください」と話した。

なお、同映画は9月22日から全国の映画館(約60カ所)で公開。興行収入の一部はウクライナ支援に寄付される。日本での映画公開を支援するため、配給会社エルフィルムズに、昨年実施された「ウクライナ危機への諸宗教ネットワークによる対話の取り組みと人道支援のための募金」(ウクライナ緊急募金)の浄財から100万円が拠出された。