帯広教会発足50周年記念式典 一人ひとりが「出会い」かみしめ
「元気だった~」「久々に会えてうれしいよ」「どうしてるかなって思ってた」――。7月9日、『51年目の門出の年――ふみだそう! やさしく、あたたかい未来へ』をテーマに、北海道幕別町百年記念ホールで開催された立正佼成会帯広教会発足50周年記念式典。会場では、肩を抱き、握手を交わして再会を喜び合う笑顔の花があちこちで咲き誇っていた。
同教会では昨年末から、寝食を忘れて布教にまい進した先達への感謝を胸に、50年の節目をサンガ(教えの仲間)と共に喜びを持って迎えるための話し合いを重ねてきた。この中で、多くの会員がコロナ禍によって3年以上も対面での交流を制限され、サンガとのつながりを求めていると確認。同式典を機に、一人ひとりとの“出会い”を改めて大切にしていこうとの目標を掲げた。
当日に向け、支部長、主任が中心となって全8支部の会員宅を訪ね歩き、近況やコロナ禍での心境に耳を傾けて触れ合いを重ねた。布教部門の責任者を務めた支部長(60)は、「じかに会って話すことで、メールやLINE(ライン)の文字、電話越しの声では分からない、相手の表情から伝わってくる思いを受け取れて、改めて対面で接する大切さを感じました」と振り返る。
こうして迎えた式典当日、会場には会員約430人が参集した。御旗(みはた)の入場、栗林孝之教会長による庭野日鑛会長の啓白文奏上に続き、組長(47)が体験説法。在宅医療の訪問看護師として患者に接する中で、一人の人間として患者が後悔のない最期を迎えられるように寄り添うことが大切と学んだ体験を詳述した。こうした触れ合いは佼成会の菩薩行と同じであり、これからも、両親から受け継いだ信仰と看護師としての経験を生かし、多くの人の支えになれるよう、さらなる精進を誓った。
講話に立った近藤雅則北海道支教区長は、コロナ禍の経験を踏まえ、今後はこれまで以上に一人ひとりとの出会いの質を高めていくことが重要になると強調。教会の行事や道場健幸行(けんこうぎょう)への声かけだけではなく、「どうしたら『今日、あなたに会えて良かった』と喜んで頂ける触れ合いをできるか、一人ひとりが考えていくことが大事」と語った。
式典後、実行委員長を務めた壮年部長(69)は、「参加した方々から、『素晴らしい式典だったよ』と喜びの声をかけて頂き、多くの支えのおかげさまで50周年を迎えることができたと感じました。先輩たちから受け継いだこの教えを、しっかりと次世代に継承していきたい」と話した。