WCRP日本委員会 第26回評議員会を開催
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の第26回評議員会が6月23日、奈良市の華厳宗大本山東大寺総合文化センターで開催された。戸松義晴理事長(浄土宗心光院住職)が招集し、評議員7人(オンライン参加含む)が出席した。同日本委会長を務める立正佼成会の庭野日鑛会長が欠席したため、同日本委評議員の杉谷義純師(天台宗妙法院門跡門主)が議長を務めた。
当日は、会議に先立ち、東大寺「大仏殿」に正式参拝した。評議員会では、冒頭、沖縄戦終結から78回目の「慰霊の日」を迎え、また、ウクライナやシリアなどいまだに絶えない争いによって多くの尊いいのちが奪われている世界の現状を踏まえ、参加者全員で平和の祈りを捧げた。
受け入れを担った東大寺執事長(同寺塔頭・持宝院住職)の上司永照師と戸松理事長のあいさつに続き、「日本委員会人事」「2022年度事業報告」「2022年度決算報告」を審議。全ての事項が承認された。
人事については、齊藤郁雄・伊勢神宮少宮司、森元亨・曹洞宗宗議会議員・東昌寺住職が理事を退任。来馬宗憲・曹洞宗宗議会議員・江岸寺住職、久田哲也・神宮司庁総務部長が新たに理事に就任した。
続いて、報告事項に移り、「法人事業」「国際事業」「特別事業部門(タスクフォース)」「常設機関」から、2022年度の取り組みが確認されたほか、今後の予定などが発表された。
国際事業では、ウクライナ情勢に対する動きとして、昨年9月に行われた諸宗教平和円卓会議の第2回開催に向けて6月14日、経済学者の寺島実郎氏を講師にWCRP国際活動支援議員懇談会の議員らと学習会を行ったことが報告された。さらに、今年1月、ウクライナ越冬支援募金で各教団から寄せられた浄財の一部がウクライナで活動する2団体に拠出されたと説明。このうちウクライナ・ギリシャ・カトリック教会の慈善団体「総主教基金ムドラ・スプラヴァ」からの活動を紹介。同団体では戦闘の激しいリビウ市などで暮らす人々に、カロリー計算された1週間分の食品(13品目)をセットにして、配布していることが伝えられた。
また、特別事業部門(タスクフォース)からは、5月10日に広島の世界平和記念聖堂(カトリック幟町教会)で行われた「宗教者による祈りとシンポジウム」の内容とともに、そこで採択された提言書「G7サミットに向けた宗教者提言~『ヒロシマの心』が導く持続可能な平和をめざして~」を、戸松理事長はじめ同タスクフォースメンバーらが岸田文雄首相に直接手渡したことが報告された。