「国際カリタス 新会長に菊地功大司教を選出」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
記憶のシンボル”である広島から核兵器の廃絶を――教皇
バチカン記者室は5月20日、広島県で開催されたG7広島サミット(主要国首脳会議)に向けてローマ教皇フランシスコが送付した親書を公表した。
この中で教皇は、「核兵器使用の脅威が続く状況下にあって、広島が今回のG7開催地であることは特別な意味を持つ」と強調した。さらに、2019年に訪日した時、平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑の前で、「沈黙の祈りのうちに立ち、核攻撃の無実な犠牲者たちに思いを馳(は)せた」ことを追憶。「戦争のための核エネルギー使用は、今日において、人間の尊厳性に反するだけでなく、私たちの『共通の家』(地球)が持つ未来の可能性に対する犯罪であるという聖座(バチカン)の確信を再確認」したと記した。
また、「広島は、(人類の)“記憶のシンボル”として、核兵器(による抑止力)が今日の平和に対する大きな脅威に効果を発揮せず、国家、国際レベルでの安全保障をなし得ないことを確固として宣言している」と主張。「核兵器と他の大量破壊兵器は、平和の幻覚を与え、危険を増大させる可能性を持つ」と訴えた。
教皇は、「広島でのG7サミットが、恒常的平和と、安定した持続可能な安全保障のための基盤を構築し得る、長期的なビジョンを提供できるように」と祈り、親書を結んでいる。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)
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