「ウクライナとロシアの正教会間対話――WCCとバチカン」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

ウクライナとロシアの正教会間対話――WCCとバチカン

ジェリー・ピレー総幹事をはじめとする世界教会協議会(WCC)の使節団は3月23日、バチカンを訪問してローマ教皇フランシスコと懇談し、「ウクライナ侵攻をめぐる政治的、経済的な理由で対立するウクライナとロシアの正教会」などの話題を中心に意見交換した。

この中で、ピレー総幹事は、WCCがスイス・ジュネーブのWCC本部で開催を予定する両国の正教会間での対話会議について、以下の議題を考えていると説明した。

・1日目「ウクライナの独立派とモスクワ総主教区派を含む正教会間での対話」
・2日目「ロシア正教会のミーティング」
・3日目「両国正教会の合同対話会議」

WCCは、この対話会議を通して「紛争下でのキリスト教一致の追求」を目指す意向を明かしている。

ピレー総幹事は、教皇との会話の中で、「キリストを中心に置き、聖書の精神に沿って、世界のキリスト教諸教会間の関係を構築していく」ことで合意したと述べた。

WCCは昨年、ドイツで開かれた世界大会で、「ロシアによるウクライナへの侵攻を支持するロシア正教会をWCCから追放するか」という選択を迫られていたが、最終的に「ロシア正教会との対話路線」を決定した。

【次ページ:バチカンがラマダンを機に世界のムスリムへメッセージ】