ウクライナ緊急募金 全国の会員から2331万4040円 厳寒下で避難生活送る人々への支援
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始から1年が経過する。ロシア軍の激しい砲撃によりウクライナ各地のインフラ施設が破壊され、電力供給の途絶や断水が発生。マイナス20度にもなるというウクライナの厳しい冬を越す燃料や食料が不足し、国内で避難生活を送る人々が命の危機にさらされた。
こうした状況を受け、立正佼成会は昨年11月、越冬支援を目的に「ウクライナ危機への諸宗教ネットワークによる対話の取り組みと人道支援のための募金」(ウクライナ緊急募金)の受け付けを再開。12月までの1カ月間で、全国の会員から2331万4040円の浄財が寄せられた。
教団本部では、寄せられた浄財のうち1500万円を世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会に寄託。昨年9月に開催された第1回東京平和円卓会議での出会いを通し、ウクライナ国内で活動する宗教を基盤とした2団体が行う避難民への食料配布や、子供たちの心理的ケアのための施設運営などを支援した。また、約200万円を本会のローマ・ロンドン両センターの活動に充当。この中で、両センターでは、現地で活動するフォコラーレ運動(カトリック在家運動体、本部・ローマ)などと連携し、使い捨てカイロ約4000枚をはじめ、太陽光充電バッテリーや寝袋などをウクライナの避難民に提供した。これらの物資は欧州地域の会員によって選定された。浄財は支援物資の購入や輸送費などに充てられた。
このほか、在日ウクライナ大使館の要請を受け、日本全国から集まった物資の輸送費として150万円が支援された。使い捨てカイロなどの物資は大型コンテナに入れられ、ウクライナの首都キーウ(キエフ)に運ばれた後、同国のフードバンク連盟を通じて現地の避難民に配布される予定だ。
これに伴い、2月15日に在日ウクライナ大使館の支援物資コーディネーターを務めるレーシャ・トカル氏と、一般社団法人ジャパン・ウクライナパートナーズ代表理事の末導ホルツ・欧里香氏が本会を訪問。法輪閣(東京・杉並区)第四会議室で庭野光祥次代会長、國富敬二理事長、和田惠久巳総務部部長、熊野隆規教務部部長と懇談した。佐原透修総務部次長(渉外グループ)、萩原透公練馬教会長、橋本高志東京西支教区教務員が同席した。
懇談では、國富理事長が日本に避難しているウクライナの人々の状況について質問。レーシャ氏と欧里香氏から、避難民の7割が女性で子連れであること、高齢者を含めほとんどの避難民が言葉の壁によって孤立しがちであること、精神的ダメージから心の病を発症するケースもあることなどが語られた。
また両氏は、支援物資を受け取る過程で避難民同士の交流やサポートスタッフとの接点が生まれ、その後の生活支援につながることが多いと説明した。