「朔日参り」式典で庭野会長が法話 大事なことを習慣づける信仰生活を
11月1日、立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が東京・杉並区の大聖堂で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子は、インターネットを通じて全国の会員にライブ配信(会員限定)された。
式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、本庄教会の女性会員(58)=支部会計=が体験説法に立った。5年前に悪性腫瘍の診断を受けた女性会員は、サンガ(教えの仲間)の体験説法や庭野会長の法話から、現象は変化すること、全ての現象の善悪を決めているのは自らの心であると学んだ体験を述懐。そうした日々の修行のおかげで、病を「自分に何かを学ばせてくれる善知識」と肯定的に受けとめ、安らかな気持ちで手術に臨むことができたと振り返った。また、その間、家族が快癒を願い続けてくれていたことを知り、感謝の思いが込み上げ、「今ここに命があることの有り難さをかみしめさせて頂くことができました」と語った。
さらに、コロナ禍の現在、デジタルツールを用いてサンガ同士がつながるとともに、「今日も誰かのため、明日も誰かのため」を合言葉に、フードバンクの活動を通じて子供の貧困といった地域社会の苦に分け入る取り組みに力を注いでいると説明。「明るく温かな地域社会を目指して精進させて頂きます」と誓った。
法話に立った庭野会長は、中国の古典『大学』にある「修身斉家治国平天下」の一節を紹介し、その意味合いを説明した上で、本会が大切にしている「斉家(せいか。家庭を斉=ととの=える)」の教えはこの一節から引いたものと言明。人を育む役割を持つ「家庭」を斉えることは、「大きく言えば世界の平和の一番もとになる、大変大事なこと」と説いた。また、新しく改めていくという「維新」の言葉の意味に触れながら、自らの身を斉える大切さにも言及。大自然が四季に合わせて常に新しく創造変化を続けるように、人間も「常にいつまでも、自らを維新していく」ことが大事であると語った。
さらに、スイスの詩人・アミエルの「人生は習慣の織物である」との言葉から、「大事なことを習慣づけて生きていくということが私たちの信仰生活」であり、「信仰は、仏さまと私たちの関係でもありますが、それはまた、人との関係と全く同じ」と強調。正直さ、親切さを大切に、友情などの道徳を固く守って生きていける人こそ「真の偉大な人間」であり、よりよい人間社会を築く上でも大切と説いた。