「悔い改めのカナダ巡礼」に向かう教皇(海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇フランシスコは7月24日から30日まで、カナダを訪問する予定になっている。同国では1831年から1996年まで、15万人を超える先住民の子供たちを強制的に家族から引き離し、寄宿学校での生活を通して西洋文明に同化させる政策が実施され、多くの寄宿学校がカトリック修道会に委託されていた。

教皇は、17日に行われたバチカン広場での正午の祈りの席上、1週間後に迫った同国への訪問に言及。「キリストの名において先住民と出会い、彼らを抱擁するために訪問する」と述べた。

さらに、「カナダでは、(カトリック)修道会のメンバーをも含む多くのキリスト教徒たちが、過去、多岐にわたり先住民共同体を害し、先住民の(西洋文明への)同化政策に加担してきた」と指摘。カトリック教会の過去の過ちを認め、「このほど(3月末)、先住民を代表するいくつかのグループとバチカンで会い、虐待を受けてきた彼らに対して、私は苦痛と連帯を表明した」と述べた。

そして、バチカン広場に参集した世界からの信徒や観光客に対し、「私は今、『悔い改めのカナダ巡礼』の途に就こうとしているが、神の恩恵によって、すでに始まっている治癒と和解に向けた道程に貢献できるように願う」と語り、共に祈りを捧げることを信徒たちに呼びかけた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)