教えに沿ったものの見方を 「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で庭野会長が法話

庭野会長は法話の中で、人間として穏やかに生き、皆が幸せになるよう、法に沿ったものの見方を学ぶ大切さを示した

立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が4月15日、東京・杉並区の大聖堂で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子はオンラインでライブ配信(会員限定)された。

当日は、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、井野瀨桂子日立教会長が体験説法に立った。井野瀨教会長は子育ての悩みを機に教会活動に励むようになった過去を述懐。『法華三部経』の読誦(どくじゅ)を続けて自らを見つめた体験や、導きの子との縁から、教えを実践して仏になるのが佼成会の信仰と受けとめた喜びを発表した。

また、木更津教会長時代、信者の仏性を礼拝(らいはい)しながら布教に歩んだことを披歴。現在は日立教会長としてコロナ禍の中、手紙やSNSを使ってサンガ(教えの仲間)とつながりながら思いやりの輪を広げていると語り、今年の教会発足70周年に向けて、人材育成に精進すると誓った。

法話に立った庭野会長は、『般若心経』に示された「五蘊皆空(ごうんかいくう)」という教えに言及。「五蘊」とは、コップに入った水を「半分しかない」「半分もあってうれしい」とさまざまに感じる感覚のことで、人はそうした感覚を「自分で決めている」と説明した。しかし、その実態は淡々として何もない「空」の状態であり、私たちが「楽しい」「つまらない」と判断しているだけだと話し、「五蘊皆空」の見方を理解すれば、苦悩や煩悩から自由になれると述べた。

また、昨今のウクライナの問題から、人の「怒り」という感情について詳述。人間は生まれた時、「安らぐ」「泣く」「笑う」の三つの感情しかないが、成長の過程で親から「怒り」を刷り込まれていくと解説し、身近な人に怒りをぶつける前に自分を見つめる努力が必要と説いた。

さらに、体を健康に保つための「養生」として、年齢に合った食事量を心がける大切さを明示。コロナ禍において、食べ過ぎに注意するなど、「健康に生きていくために心遣いをすることも大切」と語った。