宗教法人に求められる個人情報保護 新宗連がマイナンバー制度について学習会

マイナンバー制度について語る石村教授

『「マイナンバー」制度の施行から1年――現状と課題』をテーマに、新日本宗教団体連合会(新宗連)宗教法人研究会(宗法研)による学習会が4月7日、東京・渋谷区の新宗連会館で開催された。加盟教団の実務担当者ら約20人が参加した。

当日は、白鷗大学法学部の石村耕治教授が講演した。冒頭、国民全員に付与されたマイナンバー制度の運用に触れ、民間企業や団体が、職員やその扶養家族、さらに取引相手のマイナンバーを管理する仕組みになっていることを説明。企業や団体の管理には、技術的な差があり、管理の甘さから情報漏えいの危険性が高まることや、銀行などのパスワードと違ってマイナンバーは定期的に変更しにくく、基本的に同じ番号を一生使い続けるため、「なりすまし」などの犯罪に巻き込まれるリスクがあると指摘した。

その上で、マイナンバーを含む個人情報の保護には、組織として適切に対応する社会的責任があると語り、「民間の各企業や団体は早急に、個人情報の取り扱いに関する基本方針や規定を定めなければならない」と強調。宗教法人も、マイナンバーの収集から保管、利用、廃棄に至るまでを明確に示した「特定個人情報等の適切な取扱いに関する基本方針」や「特定個人情報等取扱規程」を作成し、安全管理措置を講じる重要性を解説した。