ウクライナの避難民に緊急支援 本会一食平和基金が2000万円拠出
ウクライナにロシア軍が侵攻し、民間人を含む多くの犠牲者が出ている事態を受け、立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会は3月3日、ウクライナ国内や近隣諸国へ避難している人々への緊急支援として、2000万円の拠出を決定した。支援金は現地で支援活動を行う国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と、国連世界食糧計画(国連WFP)に寄託される。
ロシアのプーチン大統領は2月24日、ウクライナ東部での「特別軍事作戦」の実施を宣言。これを受け、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が開始された。首都キエフに侵攻したロシア軍は3月1日、テレビ塔を爆撃。3日には南部の都市ヘルソンを制圧し、4日には原子力発電所を攻撃するなど、各地で攻勢を強めている。住宅街への砲撃もあり、民間人を含めた犠牲者は2000人を超えるという。両国の代表団による停戦交渉が行われ、国連総会がロシア非難決議を採択するなどロシア軍の即時撤退を求める国際社会の声も高まっているが、歩み寄りは困難で停戦は見通せないままだ。
現地で救援活動にあたるUNHCRは、住居を破壊され国内で避難を強いられている人は10万人を超えたと発表。200万人が安全を求めて国境を越え、ポーランドやハンガリー、ルーマニア、モルドバなど周辺諸国に避難し、難民となっているという(3月8日現在)。さらに、食料不足やインフラの破壊によって、今後、ウクライナ国内で人道危機に陥る人は1200万人に上るとみられる。
UNHCRでは、難民や国内避難民への支援に17億ドル(約1950億円)が必要と発表し、パートナー団体と協力して難民らの救援や資金の調達にあたる。また、国連WFPはウクライナ政府からの要請で同国内、近隣諸国へ避難した人々への食料支援を展開する。
同運営委員会はこうした事態を受け、両国連機関への迅速な支援を決定。支援金は、両機関を通して避難者への水や食料、生活支援物資の提供に役立てられる。
WCRP国際委、日本委がウクライナ情勢に対し声明