「アフリカへ毛布をおくる運動」今年で終了 本会が37年にわたり啓発・収集活動を推進

1984年に始まった同運動は、本会会員をはじめNGOや国連機関が協力し、これまで420万枚を超える毛布をアフリカ諸国に届けてきた(写真は2017年のモザンビークでの配付活動から)

立正佼成会が長年参画してきた「アフリカへ毛布をおくる運動」の取り組みが、今年3月から5月に実施される毛布収集キャンペーンをもって終了する。昨年11月、同運動の推進母体である「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会」(JBAC)で正式に決定された。

同運動は、1984年に東アフリカ地域で発生した大干ばつにより、深刻な飢饉(ききん)に襲われたエチオピアの人々への緊急支援として始まった。同年、ユニセフの呼びかけで日本政府と民間団体の合同事業として「アフリカへ毛布を送る会」が発足。本会も主要メンバーとして参画し、毛布収集に協力した。翌年、同会は解散したが、寒暖差の激しいアフリカ各国では、いのちを守る観点から依然として毛布を求める声が多いため、本会をはじめNGOなどが合同で「アフリカへ毛布をおくる運動」をスタート。以来、本会は37年にわたり同運動に携わり、啓発や収集活動を継続してきた。

これまでに個人や企業など市民社会の協力によって420万枚を超える毛布を収集。エチオピアやスーダン、モザンビーク、マラウイなど27カ国で配付され、紛争や飢餓に苦しむ人々に手渡されてきた。

JBACではこれまでも、アフリカの状況や日本社会の環境の変化に沿って支援先や活動の見直しを図ってきた。昨年には、新型コロナウイルスの感染拡大を含めたさまざまな観点から、今後の運動のあり方を検討。その中で、近年は膨大な数の難民が発生しており、均質な毛布が大量に必要になるケースが増え、同運動の毛布を提供するタイミングでは対応しきれなくなっている現状が確認された。また、毛布の提供にとどまらず、アフリカの人々が直面する諸課題の根本原因である災害や紛争の解決、自立に向けた職業や生活のサポートなど包括的な支援が求められるようになったことも挙げられた。

さらに、毛布を日本から届ける長距離海上輸送は、二酸化炭素の排出で環境に負荷をかけてしまうため、国際社会が取り組む「持続可能な開発目標」(SDGs)に照らして、現状の形では活動の継続が難しいと判断された。

同運動は終了するが、JBACの構成団体では今後も、それぞれの得意分野を生かして、貧困や紛争に苦しむ世界の人々への支援を継続する。本会でも、「アフリカの人々と共に生き、共に歩む」という同運動の願いを継承し、「一食(いちじき)を捧げる運動」による支援をはじめさまざまなサポートを検討、継続していく予定だ。