TKWOが一般社団法人に 吹奏楽の普及と発展への新たな歩み

記者発表会には、TKWOと教団の代表者が出席。新法人設立の経緯や今後の方針を説明した

立正佼成会附属の事業部門として活動してきた東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)が来年4月1日から一般社団法人として独立することになった。11月1日午後には第二団参会館(東京・杉並区)で、独立に関する記者発表会が行われた。楽団はすでに今年7月に法人登記しており、当日はTKWOから、勝川本久代表理事、堀風翔専務理事、井小萩浩之常務理事、教団から佐藤益弘常務理事、榎本光良時務部次長が出席した。

TKWOは1960年に「佼成吹奏楽団」として発足。73年に「東京佼成ウインドオーケストラ」に改称し、プロの吹奏楽団として実績を重ね、日本有数の吹奏楽団として活躍してきた。一方、楽団の発展とともに事業費が増加し、教団では自立化に向けた取り組みや事業費の抑制を検討して改善策を講じてきた。

TKWOは昨年60周年を迎え、演奏会では洗練された音色を奏でてきた(9月23日の第155回定期演奏会)

1日の発表によると、教団は、楽団の事業費割合の増加傾向を改善する施策に限界を覚え、昨年10月の教団理事会、11月の同評議員会でTKWOの事業継続の断念を決定。その後、楽団員や事務局員から存続を強く希望する声が上がり、教団と楽団の協議、理事会、評議員会の決議を経て、一般社団法人として新たな道を踏み出すことになった。

今後3年間は、運営の安定化のため教団から新法人にさまざまな支援を実施。5億円強の助成金が拠出されるほか、練習場を提供し、楽器と楽譜も3年間貸与して4年目に無償譲渡する。教団の行事での演奏は、引き続き行われることになっている。

当日は、楽団経営の基本方針として、「吹奏楽の普及と発展」「財政基盤の確立」に努めることも示された。これにより、既存のサポーターズクラブに加え、賛助会員制度(個人、法人)を新設する。このほか、大井剛史氏が引き続き正指揮者を務めることや、演奏会の予定も発表された。

【賛助会員制度】

◇個人 賛助会員(年会費一口=3000円)、維持会員(同=1万円)、特別会員(同=10万円)
◇法人 賛助会員(同=10万円)、維持会員(同=30万円)、特別会員(同=100万円)

特典内容や申し込み方法はTKWOウェブサイト https://www.tkwo.jp/community/patronage/
お問い合わせは、Eメール(patronage@tkwo.jp)またはFAX 03(5341)1255まで。